骨折②~CTで骨折はどう見える?~

前回レントゲン写真からの目線で骨折について紹介させていただきました。
ページリンク:「骨折①~レントゲン写真で必ず骨折が分かるわけではない!?~」
今回はCT検査の目線から、骨折について紹介させていただきたいと思います。
レントゲン写真で骨折が分からなかった場合、CT検査やMRI検査が次の検査の候補としてあがるのですが、レントゲン写真で骨折が分かっていたとしてもCT検査を行うことがあります。

骨折を見るにあたってのCT検査の特徴

レントゲン写真では、撮影前に見たい方向を決めなければならず、撮影後に患者さんが撮影室から出てしまうと撮影した方向からの情報のみしか得ることが出来ません。
しかし、CT検査では撮影後に患者さんが撮影室から出てしまっていても、撮影した情報をもとに画像を作成することが出来るため、骨が重なって見えにくい部位であっても任意の断面をみることが出来ますし、骨が見えやすい条件で画像を作成したり、三次元的に骨折部位を評価することも可能となります。(図1)
図1では、同じ患者さんの右鎖骨骨折の”レントゲン写真”、”骨条件のCT画像”、”三次元的画像”を比較しています。
赤色の丸で囲ったところに骨折線が認められるのですが、それぞれの写真で見え方が異なって見えることが分かります。
また、骨折による臓器損傷が疑われる場合にも任意断面を見ることができるため、CT検査の方が様々な角度から臓器をみることができ、レントゲン写真よりもより詳細に確認することが出来ます。
しかし、CT検査は被爆量が多いというデメリットがあるため、レントゲン撮影が検査の第一候補としてあがることが多くなります。

また、骨折部位の近くにペースメーカーなどの機械類や、金属が体内に埋め込まれている場合、メタルアーチファクトと呼ばれる本来写らないはずの線などが金属の影響を受けて画像内に写り込み、見たい部位に重なって見えないことがあります。(図2)

次回は、MRI検査によって見る骨折についてご紹介させていただく予定ですので、是非ご覧下さい。