冠動脈の石灰化とは~動脈硬化と石灰化~
血管コレステロールのかたまりであるプラークが血管の壁にでき、血管が硬くなることを動脈硬化といいます。
この動脈硬化が進行すると血管の壁にできたプラークに血液中のカルシウムが沈着して時間とともに石灰化という状態になります。
石灰化は動脈硬化の最終像で、血管の壁の柔軟性と弾力を減少させるため、この石灰化が心臓を栄養する血管である冠動脈に多くみられると、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患が起こり易い状態となます。
冠動脈に石灰化のある人は狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を将来発症する可能性が高いと考えられています。
<冠動脈石灰化スコア画像>
上段:動脈硬化の見られない心臓(冠動脈)の場合
下段:動脈硬化が強く認められる心臓(冠動脈)場合
下段右:白く斑点状に石灰化が描出
CT検査による冠動脈の石灰化(カルシウム)スコア測定とは
心臓(冠動脈)CT検査ではこの冠動脈の石灰化を真っ白の斑点状として明瞭に画像として現すことができます。
それに加えて、心臓(冠動脈)CT検査では「冠動脈石灰化(カルシウム)スコア測定」をすることが出来ます。
冠動脈石灰化(カルシウム)スコア測定とは、CTデータをもとに心臓を栄養する冠動脈の血管壁の石灰化を測定するものです。
この、冠動脈石灰化(カルシウム)スコア測定における測定値が高い程、これから先の将来、狭心症や心筋梗塞などの心臓病を引き起こすリスクが高いことがこれまでの研究で明らかになっています。
逆に、冠動脈石灰化(カルシウム)スコア測定の測定値が低い場合は、狭心症や心筋梗塞などの心臓病の発症リスクが低いと報告されています。
あなたの心筋梗塞発症リスクをCT検査で調べてみませんか?
冠動脈の動脈硬化の程度を調べるのには心臓(冠動脈)CT検査が有用です
一般的に男性は50歳代頃から、女性は60歳代頃から次第に石灰化が増加すると言われています。
また、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙習慣などがあると石灰化が強くなる傾向にあります。
胸の奥が痛い、胸がしめつけられる・押さえつけられる、胸が焼けつくような感じ、等の気になる胸の症状がある方や、家族で心筋梗塞になられた方がいてご自身も心臓に不安のある方、心臓(冠動脈)CT検査を受けてみたいなと思われた方はお気軽にみどり病院循環器内科医にご相談ください。