移動型レントゲン

20170111_radiorogy_01

診療放射線技師の仕事って?

私たち放射線技師は外来患者、入院患者の皆様の一般撮影(レントゲン)検査、CT検査、MRI検査、血管造影検査などの検査を担当しており、放射線は現在の医療現場には欠くことのできない大切な存在です。
そんな医療にとって大切な放射線を実際の医療現場で診断と治療に役立てるよう扱うのが私たち診療放射線技師の仕事です。

ポータブル撮影とは?

一般撮影(レントゲン)検査は原則としては専用の撮影室で行なわれるべき検査ですが、例外として、重症患者さん・手術中や手術直後の患者さんなど様々な理由で撮影室に来られない場合や、感染症などで病室を出られない患者さんに対しては、移動型装置によるレントゲン撮影を行っており、これを「ポータブル撮影」と呼んでいます。

ポータブル撮影のメリット・デメリット

~メリット~
・撮影室まで行かなくても病室のベッドでレントゲンが撮れる。

~デメリット~
・同じ病室にいる他の患者さんやお見舞い者、看護師さんへの放射線被ばくが心配される。
・撮影者である私たち診療放射線技師の被ばく。
・背中にカセッテ(撮影用の板)を敷くため、患者さん自身に負担がかかる。

撮影室で撮影した場合とポータブルで撮影した場合の写真のちがい

撮影室で撮影する場合は主に立位で撮影を行います。
立位での撮影では、胸を撮影台に付け背中側からX線を照射する方法となります。
これは、心臓は体の前方(腹側)にあるため、撮影台に心臓を近づけることによって心臓の拡大率を抑える意図があります。
これに対し、ポータブル撮影は主に背臥位(仰向け)で撮影を行います。
背臥位での撮影では、背中の下にカセッテと呼ばれる板を敷き、お腹側からX線を照射する方法となります。
そのため、心臓や縦隔が拡大して映ってしまいます。
両者とも胸部のレントゲン写真として診断に大きな影響はありませんが、心胸比を知る目的で撮影している場合は両者に10%以上の差が生じると言われているため、背臥位での撮影は参考にならないと言われています。
そのため、入院患者さんであっても撮影室に来られる方は可能な限り撮影室での撮影を行っています。