見えない放射線、毎日測っています~スタッフ編~

放射線科

突然ですが、皆さんはここ神戸のみどり病院から1番近い原子力発電所(原発)の場所はどこか分かりますか?

少し前になりますが、ウクライナとロシアの戦争のニュースでチェルノブイリ原発付近で被ばくし影響が出たとニュースになり、日本では東日本大震災で福島の原発の被ばくが問題になりました。私の実家も原発から20kmの所にあるので大地震が来て原発に何かあれば二度と実家に帰れなくなるかもしれないです。

ちなみに、先ほどの答えは病院から1番近い原発は福井県にある「高浜発電所」で直線距離は110kmとかなり距離がありました。(私が調べたので間違っていたらすみません)
放射線は私たちの目で見ることが出来ないため、原発事故と言われてもあまり実感がありません。被害や影響が出て初めて怖いと実感する方も多いです。

病院でも検査をして被ばく、被ばくと言われても体に影響が出ないと被ばくに対して実感がなく軽視する場合がよくあります。そこで、今回から病院での個人の被ばくの測り方についてお話しようと思います。

私たち放射線技師、医師、看護師等スタッフは、毎日検査の補助や特殊検査(心カテや透視検査など)に携わり、常に被ばくしている可能性があります。ただ、先ほどもお話した通り放射線は眼に見えないため、どれくらい被ばくしているのか、体に影響がないのか・・・・などその場で見てはっきりとは分からないのです。

皆さんは私たちスタッフがこのような物を付けているの見たことありませんか?

これが私たちスタッフの被ばくを教えてくれるアイテムで毎月新しいものと交換して、どれだけ被ばくしているかチェックすることができます。
私たち放射線技師はもちろん、放射線を使った検査・治療によく携わる医師、看護師等もこの線量計を着用しています。

○これ何?どこにつけてるの?

では先ほどお話した線量計ですが「ルミネスバッジ」といい、酸化アルミニウム(Al2O3:C)を使用した検出器が中に入っておりX線がどれだけ当ったのか分かるようになっています。以前は、中にフィルムやガラス素材を使用していたため「フィルムバッジ」「ガラスバッジ」と言われていました。
このルミネスバッジですが、その場で被ばく線量が分かる訳ではなく、測定の会社に返却して翌月に被ばく線量の結果が届きます。また、被ばくの仕方の違いによっても付ける個数や場所が変わってくるため後ほどご紹介します。

中は↓こんな感じです。

※長瀬ランダウア(株) HPより引用 https://www.nagase-landauer.co.jp/luminess

○被ばくの種類と装着場所について

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署の規則では、
管理区域に立ち入る方は、一時的に立ち入る場合も含めて、全ての方が胸または腹部に放射線測定器を装着しなければなりません」と書いてあります。
管理区域とは、被ばくの恐れがある部屋で入口にこのような掲示(下写真)をしている部屋のことです。ここに入ると均等被ばくの可能性があるためスタッフはルミネスバッジを付ける必要があります。

そして、防護エプロンを使用する場合などは、体に受ける被ばく線量が均等でない(不均等被ばく)ため、ルミネスバッジを2個つける必要があります
さらに、核医学(RI)や透視、IVRで手指や眼に被ばくが多くなる可能性がある場合は、リングバッジやビジョンバッジも追加で装着します。

バッジ装着部位(1枚目:均等被ばく、2枚目:不均等被ばく、3枚目:特殊検査追加バッジ)

※長瀬ランダウア㈱ ルミネスバッジ説明文章より引用

○線量報告書と管理

1ヵ月の装着期間が終わると、全員分のバッジを集めて測定会社に郵送します。
後日、被ばくが多い人は測定結果が出てすぐFAXで線量報告が届き、その後全員分の正式な報告書が届き職員へ配布しています。
法律で被ばく線量限度が決められていますが、体に影響が出るより遥かに低い線量なので安心して仕事をすることができます。また、近年は機器の性能が向上しているため被ばく線量もかなり少なめになっています。

測定報告書

○さいごに

次回は、患者さんの被ばくについてお話しようと思っています。もし、被ばくや放射線検査に不安がありましたら、私たち放射線科スタッフにお気軽にご相談ください。最後までご覧頂きありがとうございました。

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