放射線技師の裏方作業をお見せします~他院との検査画像データ、どうやって共有しているの?~

私たち放射線技師は普段、レントゲン(一般撮影)やCT、MRIといった画像検査に携わっていますが、患者さんが何かのきっかけで他の病院を受診することになったとき、当院で過去に検査した画像を持って行っていただき(もしくは郵送で)次の病院で新たな先生に過去の画像も診てもらうことができます。

これらの検査画像はCD-Rで作成し、お渡ししています。
また、新たな受診先が決まってなくても、患者さん本人のご希望で検査画像のCD-Rを作成することもあります(自己負担)。普段は検査のお話が多いですが、今回はこの裏方のお仕事『検査画像のCD-R作成』について少しお話しします。

この画像CD-Rは患者さんの個人情報が多く含まれているため、取り扱いには細心の注意を払っています。作成後は表書きと中のデータが間違いなく入っているか確認後、患者さんに渡したり、郵送処理をしています。以前はこのCD-Rの画像作成と表書きのラベル作成を別々に行っていたため、時間もかかります。また、間違いが起きるリスクもゼロではありませんでした。表書きラベルと中のデータが違う人のものだった場合、これが他の病院に渡り大変な事故に繋がる可能性もあります。

そこで先日、画像CD-R作成装置を当院でも導入し、効率化を図りました。

左のPCでCDに入れる画像を選択したら、右の機械でデータの作成と表書きラベル印刷を同時におこなってくれます。データの大きさにもよりますが、早ければ3~5分で出来上がります。
また、今後は院内のPCどこからでも書き出し指示がだせるようになるかも・・・

こちらから他の病院にCD-Rを送ることもあれば、他の病院からCD-Rが届いて画像データを取り込むこともあります。病院によってCD-Rのラベル形式が色々違っており見ていておもしろいです。こちらから他院へ送った画像がどのくらい貢献できたかは不明ですが、他院からの画像データがあれば医師や我々スタッフも早期に患者さんの状態が把握でき円滑に治療・検査を行うことができ大変助かっています。

特に新規患者さんは情報が何もないので、前施設でのデータは重要になってきます。他院へ送った画像もこのように貢献できていると嬉しいです。緊急時には重複した検査をせずに済むので時間のロスや被ばく低減にもつながると思います。

他の病院から届いた検査画像CD-Rは暫く保管した後に破棄(個人情報保護のため)しますが、患者さんによってはまた別の施設へ持っていくため持ち帰る方もいらっしゃいます。
※必要な方は受付でお申し出ください。

今回紹介したCD-R作成は放射線技師にとって普段外には知られていない裏方の仕事ですが、患者さんが他の病院でもスムーズに検査や治療ができるよう画像を提供するといった大事な役割があります。当院放射線科では、検査の撮影だけではなく、このような裏方作業もあることを知っていただけたら嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。