目指せ「撮影」のプロフェッショナル〜人体も景色も、どちらも「キレイ」に撮るために〜

こんにちは。私の趣味のひとつでカメラがあります。私にとっては高価なものなので、使いこなすためにたくさん勉強しました。

F値?シャッタースピード?感度?なんだそれ?からはじめました。だがしかし、それを理解するとフルオートモードで撮影した写真よりひとあじふたあじ素敵なものが撮影できたり、表現の幅が広がります。

レントゲン写真の「キレイ」も、鮮明に撮るという意味では近いものがあります。いくつかの設定値を調整し、レントゲン写真を撮影しています。設定値を理解することによって美しい写真が撮影できます。

レントゲン撮影もカメラと同じです。放射線を使ったカメラで骨の写真を撮影しているだけです。ふつうのカメラで撮影する際、「キレイ」に撮るにはどうしよう。とレントゲン写真を撮るときと同じように設定値を考えています。

レントゲン撮影は、管電圧、管電流、シャッタースピード。この3つを設定値として使います。患者さんの体型や身体状態によって設定値を変え、撮影を工夫します。体格が大きい人だと管電圧と管電流を上げてみたり、動きの激しい人はシャッタースピードを早くしたりします。それを即時に判断しています。

レントゲン撮影は決まった撮影方法があります。さまざまな部位の撮影方法が載った分厚い本があります。腰だけで10種類程度、肩だけで10種類以上、部位ごとにたくさんの撮影方法があります。

放射線技師はそれを覚えて、その本のようなレントゲン写真に近づけます。レントゲンの美しい写真とは単に見た目だけではなく、情報が的確に伝わる画像であることを意味しています。

そこが普通のカメラの写真との違いです。
ふつうのカメラ写真はぶれてても、白くとんでても、変なものがうつりこんでても、美しいものは美しかったりします。放射線技師が撮影するレントゲンの美しさとは意味合いが少し違います。

レントゲン写真はぶれがあってはいけません。ボタンやカイロなどが写ってもいけません。必要な部分が描出されていないと画像としてなりたちません。医療で扱わなかったらモダンアートとしては成り立つかもしれませんね。

鮮明に撮影できると患者さんの病変がより簡単にわかります。わたしたち放射線技師は、患者さんの病気の情報ができるだけ多くわかるように努めています。
診断により貢献できるような、高精度の写真を撮影できるように技術を高めて参ります。