
4月は入学・入職の方が新しい場所で新しく覚えることも多く忙しい時期ですが、そんな時期に私たち放射線技師の全国で最も大きい学会が開催されます。参加者は放射線技師、放射線科医師、医学物理士の合同開催のため、かなりの人数が毎年参加しています。場所は横浜国際会議場(パシフィコ横浜)で、大きなイベントが多々開催されているので行ったことがある方も多いかもしれません。
この学会期間中に併せてITEM(国際医用画像総合展)も開催され、放射線機器やその他医療機器の最新機器の展示も行われています。こちらの機器展だけ参加する方も多く、臨床検査技師、看護師など多職種の方が参加しています。今回はこの機器展示についての様子と最新の技術について少しだけお伝えしたいと思います。
※ITEM会場内無断撮影禁止の掲示がありましたので、各機器の写真等は機器メーカーの許可を得て撮影しております。


会場内は一般撮影、CT、MRIはもちろんその他X線撮影装置や防護衣、測定機器など様々なメーカーさんが出展されていました。デモ機ではありますが実際に機器を操作したり、動かしたりできるため放射線技師のみならず、実際に血管撮影や放射線治療を行う放射線科医師も操作体験していました。
機器関係は携帯電話のように毎年新しいものが開発され、より便利に、より被ばくが少なく患者さんに優しいものが販売されますが、非常に高価な医療機器ばかりでなかなか買い替えが難しい状況です。
CTは現在某メーカーから『立位』で撮影できるものが販売されていましたが、今年は立位と仰臥位(普段通りのCT)が同一機械で検査できるものが発表されていました。
丸い部分(管球と検出器がある撮影部分)が縦・横に動き印象的で目を引きました。
整形外科領域では立位撮影が主流になってきており、いつか当院でもお目にかかれる日が来るかも・・・
次にMRIですが、1.5テスラ以上の高磁場MRIは液体ヘリウムを使って冷却しながらでないと検査ができませんでしたが、昨年からこのヘリウムを使用せず検査ができるMRIが発売され話題となっていましたが、今年もこの機器の展示がありました。
MRI検査時に使用するコイル(画像を撮るのに必要な道具)も閉所恐怖症の方への配慮が進んでおり、ふかふかのクッションみたいなタイプも出ており、苦痛の軽減も考えられていました。検査時間の短縮もかなり進んでおり、頭部検査であれば、当院のMRIでは30分程度必要ですが、10分程で検査可能だそうです。

〈立位・仰臥位併用可能CT機器〉

〈高磁場MRI機器〉

〈高磁場MRI用コイル〉

〈血管撮影装置(当院メーカーの最新機器)〉
放射線分野においても近年話題の『AI』が多々使用されており、AIによる自動画質改善(息止め不良など)、操作者の操作の簡便化、音声認識による操作など便利になる一方、放射線技師としてのスキルが徐々に不要となっている気もしました。何れは自分自身でこういった検査をする時代が来るかもしれません。
もし、こういった医療機器に興味がある方がいたら次回は来年になりますがまた4月に開催されるので、少し遠方ですが、ぜひ足を運んでみてください。


〈早朝の新幹線より〉
1枚目)西明石駅は晴れていましたが、2枚目)静岡・神奈川(横浜)は曇っていました。