
先日、大阪・関西万博のPASONAパビリオンを訪れた際、iPS細胞から作られた「心筋シート」や、実際に拍動する人工の“動く心臓”を目の前で見る機会がありました。科学の進歩がここまで来ているのかと、感動と驚きを覚えました。
こうした未来医療の展示を見て、地域医療における心臓病の新たな治療が始まる未来に心が躍る1日になりました。

iPS細胞と心筋シートとは?
iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、患者自身の皮膚などから作られる“万能細胞”で、心筋や神経などさまざまな組織に変化する能力を持ちます。
この細胞から作られた心筋シートは、心不全などで傷んだ心臓の筋肉に移植することで、新たな血管の形成の促進や、再び鼓動する力を与えることを目的に研究されています。
万博で展示されていた動く心臓や心筋シートは、この研究の成果を象徴するもので、今後の再生医療が現実のものになる希望を感じさせてくれました。

現在の心臓病治療でもできることはたくさんあります
iPS細胞の活用は将来の話ではありますが、当院でも“今”できる心臓の検査や治療を通じて、皆さまの心臓を守る取り組みを続けています。
■ 当院で可能な心臓病治療
心臓CT検査
冠動脈の状態を造影剤を用いて画像化し、狭窄や石灰化の有無をチェックできます。

心臓カテーテル検査
カテーテルと造影剤を用いて冠動脈を直接確認し、必要に応じて治療(バルーンやステント)も実施します。

アブレーション治療
不整脈に対する治療で、異常な電気信号を発する心筋を焼灼することで脈を正常なリズムに戻します。

こんな症状がある方は医師にご相談を
- 動悸がする、脈が乱れる
- 胸が締めつけられるような痛みがある
- 階段や坂道で息切れする
- 夜間の咳やむくみが続く
これらは、心不全や狭心症、不整脈の初期症状かもしれません。気になる症状がある方は、当院などお近くの循環器内科外来でご相談ください。

未来を見据え、今からできる心臓ケアを
大阪万博での展示は、心臓病の新たな治療が実用化される時代の到来を教えてくれました。しかし、その未来に備えるためには、日々の体調変化も見逃さず自己管理、早期発見治療を意識していくことも大切です。
当院では、安全で正確な検査と治療を皆さまに提供し、心臓の健康をしっかりとサポートしています。お気軽にご相談ください。
