痛い病気ランキング上位入賞!○○結石!!

『三大激痛の1つ』と言われるほど、とってもとっても痛い病気!尿管結石について、放射線関連の治療や画像についてご紹介したいと思います。

○尿管結石とは?尿路結石?

上では尿管結石と言いましたが、実は石が詰まる場所により名前が少しずつ変わっています。おしっこが腎臓から尿管を通り膀胱から出るまでの道を「尿路」といい、石が出来たら総称で「尿路結石」といいます。
そして、今現在石のある場所の名前でそれぞれ、「腎臓結石」「尿管結石」「膀胱結石」などと呼ばれます。

結石の形は1番上の美味しそうなこんぺいとう画像のような形が多いですが、そんな甘いものではなく、実際に顕微鏡で見た画像を見てみると・・・

そうです!こんなに尖った刃物のような、トゲトゲが無数に広がっているのです。
このトゲトゲが尿管などの壁に当たり激痛になっているのです。あぁ恐ろしい

○症状

1番大きな症状として、背中や腰、わき腹辺りの激しい痛み、お腹の下の辺りの痛みがあります。その他、吐き気嘔吐、血尿(おしっこに血が混じる)などがあります。
また、石が詰まって尿が流れない事で腎臓に炎症が起こり、腎盂腎炎になると38~40度の高熱が出ることもあります。
結石の激痛は、尿管にあると起こりますが、腎臓にある時(腎臓結石)や膀胱にある時(膀胱結石)はほとんど痛みがありません。

○画像検査と治療

・画像検査について

病院へ到着したら、まず石の居場所を突き止めるため、KUB撮影:Kidney Ureter Bladder(腎尿管膀胱)という腎臓・尿管・膀胱が全て含まれたお腹のレントゲン写真を撮ります。石があれば白く写ります(下写真右○部分)。

【正常KUB画像(左)、尿管結石KUB画像(右)】

結石の多くはこのKUB撮影で見つけることが出来ます。しかし、レントゲンに写りにくい結石や微小なサイズの石を見つけるには、以下の検査を追加する場合もあります。
・CT撮影
・超音波検査(US)
・排泄性腎盂尿管撮影(IVP:Intravenous Pyelography)

レントゲンでは、血管内の石灰化との区別が困難な場合もあり、CT検査を追加します。
では、次に先ほどの尿管結石のCT画像についてご紹介します。
CT検査ではより詳しく結石の位置、大きさ等を確認する事ができます。

【腹部単純CT水平断画像(左)と冠状断画像(右)】

CT画像で結石は白くはっきりと写るため(←)、レントゲンより鮮明に形まで分かり、診断、治療に大きく役立ちます。また、先ほどの結石の上部分(腎臓辺り)を見てみると、

【腹部単純CT水平断画像腎臓レベル】

尿管に尿が溜まり大きくなっているのが分かります(上図←)。この状態になると、尿の流れが悪くなり、腎臓から尿管へ尿が流れなくなる「水腎症」を起こします。
そして、腎臓の機能が悪くなり、体に溜まった老廃物や毒素が外に出せず尿路感染症を起こします。
さらに悪化すると、命に関わる危険がある「(結石性)腎盂腎炎」となってしまいます。

・エックス線撮影による被ばく線量は?

さきほど紹介した画像検査はエックス線による被ばくを要しますが、体に影響が出るほどではないので、安心して検査を受けて頂けます。しかし、妊娠中や小児の患者様では超音波検査が優先されることが多いです。

被ばく線量一覧(尿路結石症診断ガイドライン2013年版HPより)

・治療と対策について

石の大きさ、形を含めた排出のしやすさの違いによって様々な治療方法があります。
・保存的治療(自然排石)
・薬物治療
・体外衝撃波結石破砕術(Extracorporeal shock wave lithotripsy: ESWL)
・内視鏡を使用した下結石破砕術(TUL)、経皮的破砕術(PNL)

などがあります。また、自分自身で出来ることは、
・ジャンプする運動を積極的に行う
・水分を多めに摂取する
・シュウ酸を多く含む食品を取り過ぎない(ホウレンソウ、タケノコ、チョコレート、ココア、紅茶など)
・アルコールを控える

など小さい我慢が、激痛防止につながると思い少しずつでも取り組んでみましょう。

○僕たちだって痛い思いはしたくないんだ!

人間以外にも、私たちが飼っている犬や猫も「尿路結石」になることがあります。
結石ができる原因は、原因は食事や水の摂取やストレス、細菌感染などさまざまで無症状の場合も多いです。ですが、人間同様激痛を伴う場合も多いとか。トイレの回数の変化や血尿などいつもと違う行動変化があれば病院へ連れて行ってあげるといいかもしれません。
予防法も我々人間と同じで、水分をしっかりとり、食事のバランスを適切に保つ事です。

○さいごに

【石ができたら、早めに病院へ行く意思を持ち医師に相談を!!】