患者さんの役に立てるようにもっと学びたい〜入職して10年、そしてこれからの10年〜

普段当院の地域連携室では、患者さんや家族様からの様々な相談の対応をしています。
介護保険の申請をしたい、医療費の相談をしたい、転院・在宅医療・施設入所の相談をしたい、そもそも誰に相談して良いかわからないことがあるなど、地域の医療機関・開業医の先生・その他福祉サービス機関と連携し患者さんへのベストな支援を行えるよう相談業務にあたっています。

まずは支援が必要な患者さんとご家族様の要望を正確に把握するために、地域連携室の看護師かソーシャルワーカーがヒアリングし方向性や要望を伺います。
それを毎日の午前ミーティングでメンバー全員で共有し、日々担当者同士が協議することで、退院支援の質の向上を図っています。
事務の私もミーティングに参加し協議に加わっています。

地域連携室事務である私の主な仕事は、患者さんごとの入退院経緯(入退院の状況や紹介元、退院先が何処かなど)を把握しデータベースを作成しています。
他の医療機関や開業医の先生に紹介するときに発行する紹介状のやり取りもデータとして管理し、円滑な連携と連携強化に活用しています。
みどり病院では一般病床80床、地域包括病床28床で運用しています。
一般病床に入院され退院の目途が立てば療養準備を整える間地域包括病床に転室していただき、はれて退院となります。
地域包括病床は入室期間が60日間と限度があることと、在宅復帰率といって自宅に退院していただく患者さんの割合が70パーセント以上でなければいけません。
そのため、適切な運営ができているか判断するために日々地域包括データを更新しています。

地域連携室のメンバーは誰もがそれぞれの担当する患者さんに対して強い思い入れを持っています。
様々なバックグラウンドの患者さんやご家族様に寄り添い入退院支援をしていく中で、容態が思わしくない担当患者さんのことで目にいっぱい涙をためてその患者さんの心配をしたり、他部署との連携で意見が合わなければ妥協せず議論したり、状況によってはジレンマを抱えたり、患者さんの希望に添うことができれば心から喜んだりと、いつもは冷静沈着なメンバーですが担当患者さんのことになるとついつい気持ちが熱くなりがちです。
それだけ真剣に患者さんのことを考えているからだと思います。
私は患者さんの状況はカルテなど間接的にしかわかりませんが、毎日の午前ミーティングでその日その日の状況を聞きながら、何か私にできることはないか、少しでも患者さんの役にたてることはないかと考えています。

そんな地域連携室メンバーから刺激を受け、私の中で福祉について専門的に学びたいという気持ちがめばえ、子供たちの受験が終わったこともあり、通信制の福祉総合大学で4月から学び始めました。
単位取得に必死ですが、仕事と直結していることも多く少しでも地域の患者さんの力になれればと思います。

これまでの10年あっという間でした。
1年経つのがほんとうに早く感じられました。
これからの10年も同じようにあっという間に過ぎていくことだろうと思います。
今の時間を大切し経験を活かし、学びを深め「どんなこともやらないよりはやる方がいいに決まってる」をモットーにこれからも患者さんの役にたてるよう前進して参ります。
そして、地域の方々には健やかに楽しく年齢を重ねていってほしいと願っています。