地域の在宅医療をリードする清水政克医師から学ぶこと~地域連携室〜

今回は、みどり病院に縁の深い「清水メディカルクリニック」の清水政克医師をご紹介したいと思います。清水政克医師は当院にて毎週木曜日・内科・緩和ケア内科を担当してくださっております。清水メディカルクリニック(明石市松が丘)副院長先生として内科・消化器内科・循環器内科・緩和ケア内科を診療されており、2013年より在宅医療部門を立ち上げ、現在、在宅医療を主に活動されております。緩和ケアの講義や研修会など年間20件ほど開催され、在宅医療を推進するために精力的に活動されています。

このようにご多忙な清水先生ですが、みどり病院のスタッフのために毎年勉強会を開催していただいております。去る2020.11.5には、「がん疼痛の評価と治療」をテーマに講演をしてくださいました。
そんな忙しい中、講演前に清水先生にインタビューをお願いしましたところ、快く了承いただき、貴重なインタビューが実現しました。

清水政克医師へ直撃インタビュー

✿在宅医療をするうえで大切にしていることは何ですか?

① 本人の意思決定支援:本人の意識があるのであれば本人と家族一緒に話をしていく。最初に家族とだけ話をしてしまうと本人が置き去りになってしまう。家族がいる状況で全て本人の意思確認をしていく。

② 症状緩和(苦しみをとる)

③ 療養看護の環境調整

④ 入院回避(不要な入院はさせない)

✿本人の意思決定支援において、本人の認知面の低下がある場合、また本人が意思を伝えることが困難な状況においてはどう考えますか?

厚生労働省の意思決定支援ガイドラインにもあるように、認知症の人に対しても本人の意向を重視する。認知症のため本人の意向確認が困難な場合は、家族との面談の中において、本人が元気だったとき、本人はどのように決定すると思うかという視点で考えてもらい相談していく。

✿在宅医療をするうえでのポリシーは何ですか?

どのような依頼であっても断らない。
精神疾患や医療的ケア児が抱える問題は容易ではないが使命感を持ってお受けさせて頂いている。

✿今後の日本の医療に関して先生が考える課題はありますか?

このエリアもそうだが、都市部に行くほど病院が、病気を選ぶ方向になっている。
つまり、田舎では、病院が一つしかなくその総合病院が全てみる体制となっているが、都市部では、病院が専門に特化することにより病院が患者さんを選べる状況になっている。
入院が必要になった患者さんを紹介元の病院へ相談すると断られてしまうということが実際にある。
そんな時、頼りになるのがみどり病院。これは、お世辞でもなんでもなく事実。
みどり病院なら大体の問題は解決できると思っている。

✿清水先生からみたみどり病院とは?

すごく頼りになる病院。
開業医の立場として、弱いところと言えば「検査がすぐにできない」こと。
そんな時、みどり病院にお願いする。みどり病院では、とことん調べてくれて結果はこれだ!とはっきりさせてもらえる。在宅医の立場としてその結果を踏まえたうえで、患者さんと今後の方針をきっちりと話をすることができる。
また、患者さんをみどり病院にお願いした際には、医師がとてもよく診てくれた、看護師さんが優しかったなど、みんな「みどり病院(に紹介してもらって)で良かったです」と在宅に帰ってくる。

✿清水先生から最後にみどり病院地域連携室へ一言!

メンバーがしっかり揃っているなという印象。
在宅の事も分かっているし、色々な質問にも迅速に対応してもらえている。
連携できて助かっている。

清水先生ありがとうございました。
突撃インタビューにもかかわらず、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。清水先生の明るい人柄のおかげで、会談も和やかに進めることができ、また、在宅医療そして日本の医療に関しての熱い思いを感じることができました。貴重なお時間を頂きありがとうございました。

最後に地域連携室より

昨年は新型コロナウイルス感染拡大で世界が大きく変化することを余儀なくされ、激動の一年となりました。今後も私たちの社会生活や経済秩序も大きく変化していくことが予想されます。病院も例外ではなく、変革の流れは確実に迫っており、「患者さんにとって本当に必要な医療」を提供している病院が生き残る時代となっていくでしょう。私たちみどり病院も、これまで以上に病診・病病連携を強化し、地域の人々から真に必要とされる病院を目指してスタッフ全員一丸となって邁進していきたいと思います。