人生会議、してみませんか?〜人生をどう生きるか?を考えるためのACP(アドバンス・ケア・プランニング)

突然ですが皆さんは自分の最期について考えたことがありますか?私自身、病院で働くようになり最期のときを迎える患者様や家族様と関わる中で、
「自分が人生の最期を迎えたとき大切にしたいことってなんだろう?」
「自分が死に直面したときにどんな医療行為を望むだろう?」
と考えるようになりました。そんなときに出会った言葉が「人生会議」でした。

人生会議とは

もしものときのために自分が望む医療やケアについて前もって考え、繰り返し話し合い、共有する取り組みを
「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)と呼びます。

命の危険が迫ったとき、70の方が医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。自分の望む治療やケアが受けられるようにするためにも前もって話し合いをしておくことが必要です。

もしものときのことを話すのは縁起でもない?

自分が最期のときの話をするなんて縁起でもないことだと思われている方も多いのではないでしょうか?戦後間もない頃の日本は自宅で亡くなる方が80%を超えていましたが、高度経済成長期を経て昭和55年にはその数が逆転し、今では70%以上の方が病院で亡くなっています。

自宅で亡くなる方が減ったことから最期のときを迎える人を目の当たりにする機会が少なくなったことによって、死について話すタイミングが失われていったのではないかと考えられます。

今、日本全体で高齢化社会が進んできており多死社会を迎えています。また、高齢者の一人暮らしの割合が増えているということは自分が最期を迎えるときに自分の想いを伝えることが出来ない人が増加してくることを示しています。

健康だから大丈夫!若いからまだまだ大丈夫!ではなく、誰でも、いつでも命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。そこで自分が希望する医療やケアを受けるために大切にしていることや望んでいることを前もって考え、信頼する人たちと話し合い、共有することが大切になってきます。

引用:平成28年版厚生労働白書-人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-

人生会議の方法

では実際人生会議とはどのように進めていくのでしょうか?神戸市では話し合いの手順や、自身が大切にしていることを考えるシート(価値観シート)を掲載したパンフレットを作成しています。
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/62180/acp_pamphlet_1.pdf

また、以前人生会議の研修に参加したときに「もしバナゲーム」というカードゲームに出会いました。このゲームは米国法人が開発した「GO WISH GAME」を原版として、iACP(亀田総合病院(千葉県)で緩和ケアや地域・在宅医療に取り組む医師らが立ち上げた一般社団法人)が日本語翻訳・出版を行う「日本語版」です。

1セットには36枚のカードが入っており、そのうち35枚には、重病のとき や死の間際に「大事なこと」として人 がよく口にする言葉が書いてあります。たとえば、「どのようにケアして欲しいか」、「誰にそばにいて欲しいか」、そして「自分にとって何が大事か」、という内容です。

そのうちの10枚を選択し、なぜその10枚があなたにとってのトップ10なのか?その理由を家族や友人たちにどう説明するか考えます。また「重要でない」カードの山についても、説明できるように理由を考え、あなたの選択について話し合います。

このゲームにより、あなたにとって何が重要なのか、そして、なぜそれが必要なのかを考え、理解することができるゲームです。

引用:もしバナゲーム公式サイト

もしも自分が数日後、数ヵ月後に死ぬことがわかったら・・・
何を食べたいですか?
誰と一緒に過ごしたいですか?
それを周りの人に伝えることが「人生会議」に繋がります。

「自分の最期」を考えることは自分がやりたいこと、これから過ごしたい人生など「今」を考えることに繋がっています。誰にとっても最期のときは必ずやってきます。人生会議をすることでこれからの人生をどう生きるかを考え、周りの方々と共有するきっかけになります。

11月30日(いい看取り・看取られ)は人生会議の日。
もしものときのために大切な人達と「人生会議」してみませんか?