想いに寄り添う。地域連携室2年目

みどり病院 地域連携室での勤務開始から、また社会人として1年3カ月がたとうとしています。1年目は業務を覚えるのに必死で、電話応対、情報収集、病院内の多職種と連携、患者様やその家族との面談など慣れない仕事も多く、業務の流れを把握することに精一杯でした。私が病院の全体研修を終え、部署での初めての仕事で外部からの電話を取った時、何も言えず慌てていました。けれども、今、一年間、自分の少なくない成長を実感し、地域連携室の一員として患者さん、ご家族、院内外の医療スタッフに貢献できている手応えを得られています。

ここで地域連携室での経験の中で印象に残っている出来事をお話します。自宅から入院した患者様で慢性呼吸器疾患のためHOT(在宅酸素療法)が必要な患者様を担当しました。HOTとは病院外の自宅などで酸素を吸入することです。その患者様は私が担当する数年前からHOTを利用していました。自宅で酸素が必要な方はまず酸素を誰がどう運ぶのか、行動範囲の制限などたくさんの課題が出てきます。

治療を経て体力が落ちてしまい、歩行が難しくなり多くの時間を車椅子で過ごすことになり、自分ではオムツ交換も難しくなりました。奥様と2人暮らしだったため、奥様が身の回りのお世話をされていましたが、介護の負担が大きかったと思います。

ご本人、奥様、お子さんたちの想いを揃えるため、話し合いの場を設けできる限り声を聞き、患者様は「妻と一緒にいたい」、ご家族も同じことを思っており自宅退院を強く希望していました。ただオムツ交換や、食事内容、移乗、入浴などのすべてにおいて介助が必要でした。ケアマネジャーと連携し、介護保険の区分変更を行いました。またHOTを利用していたので医療保険での訪問看護も相談しました。退院後も安心して受診できるよう訪問診療も引き続き介入しています。直接話すことによって病院退院後どのように過ごしたいか本当の想いを知ることができます。

地域連携室では前方連携と後方連携に分かれており、私は退院後の支援調整をする後方連携をしています。
患者様は1人1人違います。生活背景や家屋状況、本人の状況など知ることが大事です。年齢や病気によって利用できる福祉サービスが異なります。地域連携室の先輩方から、患者様やご家族の想い、病状、病棟での過ごし方、動作面など医師、看護師、リハビリスタッフなど病院内の多職種、外部のケアマネジャーなど連携しています。

関わるということを忘れずに寄り添う姿勢を大切にしています。患者様やご家族の生活背景や想い、できるだけご本人やご家族のニーズに合うような退院支援ができれば良いなと思います。