はじめまして。昨年9月にみどり病院地域連携室にMSW(医療ソーシャルワーカー)として入職したKと申します。
ソーシャルワーカーとは、社会福祉士や精神保健福祉士という国家資格の有資格者の総称です。私は大学時に社会福祉士の資格を取りました。
社会福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人であり、主な業務は、福祉サービスを必要とする人からの相談に応じることです。その対象は幅広く、高齢者介護、障がい者支援、生活保護、児童福祉、DV(家庭内暴力)など、福祉分野すべてが対象となり勤務先も様々です。
その中でも医療機関に勤めるMSWは、医療機関などにおける福祉の専門職で、病気になった患者や家族を社会福祉の立場からサポートする人のことを指します。例えば、医療的・社会的な制度の活用方法の提案から地域の社会資源の紹介、入院・退院の調整、自宅の環境整備など多岐に渡ります。
病気になると、本人も周りの方も経済的・心理的な悩みや課題がたくさん出てくるものです。そうした方の相談に応じ、より良い社会生活を送れるように支援をしていく存在です。
動物病院勤務からの転向
大学では臨床福祉学科を専攻し、社会福祉士の資格を取りました。しかし、私は昔から動物が好きだったので、若いうちに動物に関する勉強もしたいと思い、卒業後そのまま動物看護の専門学校へ進学しました。当時学校の飼育犬であった今の愛犬と出会い、動物漬けの毎日を過ごした2年間を経て動物看護師の資格をとり、卒業後は動物病院に勤めました。
動物看護師というとあまり馴染みがないかもしれませんが、主に獣医師をサポートする動物専門の看護師です。
人の医療には薬剤師や検査技師など様々な専門職がいますが、動物医療では看護師が獣医師の指示の元、診療のサポートや手術・臨床検査や画像撮影の助手、入院動物のケアといった看護に関することはもちろん、病院の受付や事務、飼い主様対応、近年ではしつけや飼育法のアドバイスも行うなど、その仕事内容はとても幅広いです。動物を飼われている方で動物病院にかかる際には動物看護師の仕事ぶりに注目してみてください。
私は結婚を機に動物看護師の仕事に区切りをつけ、総合病院の医療事務の仕事をはじめ、診療報酬や医療保険の制度などについて学びました。その後、出産を機に専業主婦となりました。
子育てが少し落ち着き社会復帰を考えるようになり、前職の経験も踏まえ社会福祉士の資格を活かして働くことが出来るみどり病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)になりました。
みどり病院へ入職して半年経った今
入職して担当の患者さんを持つようになり、その一人ひとりに様々な背景や事情がある中
MSWとしてどう介入して行くのが正解か分からず悩むことがあります。そんな時に部署内で相談すると、まずは「患者さん本人の気持ち」そして「患者さん本人の考えに対する家族の気持ち」の傾聴を基本とした考え方や解決策にハッとすることが多々あります。
また入職以降、院内・院外の勉強会や研修、交流会に参加する機会が沢山ありました。
医療・介護の制度やサービスへの理解を深める事はもちろんですが、同時に、他病院や他施設の相談員やケアマネージャー、看護師の方達と情報交換を行い、各々が直面したケースの問題や悩みを相談し合える為、患者様へより良い支援を行うにはどうすればいいかを一緒に考える機会として大いに役立つ場だと実感しています。
「患者さんとご家族はどうしたいと言っているの?」
担当を持ち初めた頃、先輩に相談すると一番にそう聞き返されました。
社会福祉士の勉強では、「傾聴」が最も基本であり、全てはそこから始まると学びます。しかし、いざ働き始めると目の前の事でいっぱいになり、基本であった「傾聴」を失念していたことに気がつきました。
患者さんのことで悩んだ時には、主治医をはじめ、部署内や他部署のスタッフの考え方も参考に、より良い支援が行えるように心がけたいと思っています。
実際に働き出すと、MSWの資格を取得した勉強とはまた違う、実際に現場で役立つ知識や相談援助技術をもっと身につける必要があると実感しています。みどり病院には各専門の頼もしく心強いスタッフがたくさんいます。そのスタッフと共に経験を積み、患者さんやご家族の力になれる存在になるべく日々精進してまいります。
通っていた専門学校から迎えた愛犬 ヒット(♂11歳)
今では愛娘のお兄ちゃん的存在です