訪問リハビリテーションの定義は、「居宅要介護者について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」とされています。
主治医が必要と判断した要介護者のご自宅に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等のリハビリテーションの専門職が訪問し、日常生活の自立や生活の質の向上(社会参加・家庭内役割など)を図ります。
住み慣れた環境の中で、心身機能の維持・回復や自宅の環境調整、福祉用具等の助言により利用者が安心・安全にその人らしい生活が継続できるように支援していきます。
また、介護する方への介助指導やアドバイス・相談も行います。
2017年の厚生労働省の資料によると年々事業者数も利用者数も増加しています。
本人と専門職の双方の優先課題としては、やはり、歩行・移動・移乗が多くあげられていました。
住み慣れた環境の中で歩ける、福祉用具を利用して外出できるなど生活範囲の拡大を図り、室内に閉じこもらず孤立させないことで日常生活を豊かにすることが大切です。
もう一つ大切なこととして、家族との関わりです。
介護者が困っている主な例として「介護による肉体的・精神的負担」があげられます。
我々は介護力、意欲、人間関係等を考慮した上で、利用者だけでなく介護者ともコミュニケーションをしっかりととります。
なんでも質問できたり、介護をする上での苦労などを落ち着いて話せたりする機会を作ることも大切です。
私が担当している利用者のご家族の方からお伺いした言葉をいくつか紹介します。
「思うように外出できなくて家の中にこもってしまっています。」
「動こうとしてくれません。」
「訪問リハビリに来てくれることで家の中の空気が変わって気分も変わります。」
「毎週、心待ちにしています。」
「また、外来の診察に連れて行けるように頑張ってもらいたいです。」
「最近笑ってくれるようになったんです。」
「お茶碗を持ってご飯を食べれるようになりました。」など、喜びの声や不安の声もあります。
利用者や介護者の声を伺いながら、家族の介護力、意欲に合わせた介護指導、環境調整を行うことを重要視しています。
我々は、リハビリテーションの観点から、利用者とその家族のケアに注目し双方に必要とされる訪問リハビリを心掛けて行っています。
◆訪問リハビリの対象になる方は?
・介護保険で介護認定を受けられた方、又は、認定見込みの方
→65歳以上で、要支援1~2・要介護1~5と認定された方
→40歳以上64歳未満で介護保険の対象となる特定疾病により、要支援1~2・要介護1~5と認定された方
※サービスを利用する場合は、主治医の指示書が必要です。ケアマネージャーにご相談ください。
◆どんな時に利用する?
・退院するがまだ自宅でもリハビリを続けたい
・自宅で動けるかどうか不安だ
・自宅での介助方法を知りたい
・自宅の環境を見てもらいたい
・いろいろな事情で通院が困難だ
・筋力が低下して歩くことに不安がある
・麻痺や拘縮があり、関節可動域を維持・改善したい など
我々は、皆さんが病気やケガで入院し病院での治療が終了した後も、安心・安全にその人らしく住み慣れた環境で生活できるよう、医療と介護の両面からリハビリテーションを行います。