私事ですが、当院に転職して3年目の春、我が家に待望の次女が誕生しました。長女の出産から5年ほど経っており、楽しみ半分、不安半分で出産の日を迎えましたが、無事母子ともに健康で出産を終えることが出来ました。第2子とは言え、子育てで忘れていることも多く妻と協力しながら日々育児に奮闘中です。
さて、この度の出産後に、私は“産後パパ育休”という制度を利用しました。この制度自体知らない方も多くいると思いますが、厚生労働省は男女とも仕事と育児を両立できるように育児・介護休業法の改正を行いました。その結果、令和4年10月1日から産後パパ育休が新設され、育児休業制度については夫婦ともに分割して2回取得が可能となっています。これは長女の出産時には無かった制度でしたので、当院の総務課で詳しく説明して頂き取得に至りました。詳細は下の図に載せていますので、興味のある方はご参照ください。
厚生労働省HPより引用
実際、私は妻の退院日から2週間産後パパ育休を取得しました。取得するタイミングや日数については妻と話し合い、妻の身体的ストレスや産後の手続きの事を考えて退院日に合わせて取得することにしました。
そんな産後パパ育休を取得したことで、いくつか感じたことがあるのでここでお話させて頂きます。正直、退院してすぐの新生児はオムツを変えて、ミルクをあげて、沐浴をして、それ以外はひたすら寝る、を繰り返すだけなので、それほど手はかからないと思います。妻に「これでも休んで意味あったかな?」と聞いたほどです。
それでも、育児・家事以外に妻の話を聞くだけで、「居てくれるだけで違う。ストレスもため込まなくていい。育休をとってくれてよかった。」と言われたことは嬉しかったことの1つです。思い返すと、長女の産後すぐに「日中ずっと赤ちゃんといるのも大変。」と妻が言っていて、それぞれの両親もまだ現役で働いており十分に頼ることが難しかったので、夜中には夫婦ともに疲れ切っていたのを思い出します。
その時のことを思うと、長女の世話もまだまだ必要にも関わらず、穏やかに2人の育児が出来ているということは、産後パパ育休を取得し、関わる時間が増えたことによるメリットがあったのだと思います。それと、私が家にいる時間が増えたため、長女といつも以上に多く過ごすことができ、ゆっくり話をする時間が作れたことも思わぬ副産物でした。
その他に嬉しかったことは、部署の所属長に妻の妊娠を報告し、産後パパ育休の取得を希望している旨を相談したところ、積極的に取得するようにお声がけを頂いたことです。産後パパ育休は新設されてから間もない制度であり、当院でも前例がないためどのような反応があるのか、どの程度の日数の育休を取得してよいのかなど不安がありました。
しかし、私の希望をしっかりと聞いて下さり、担当患者様のリハビリについても、他の療法士にサポートして頂いたことで、ストレスなく取得に至ることが出来ました。さらに、外来の患者様からは「帰ってくるまで自分で頑張って元気になっとくから、気にせんと育児頑張ってきて!」と、ご迷惑をお掛けするにも関わらず嬉しい言葉を頂きました。職場のスタッフや患者様からの言葉を受け、改めて夫婦だけではなく周囲の助けがあっての子育てだと実感しました。
育休期間を通して、産後パパ育休は妻(母親)を支える為という意味合いが大きいように感じました。今後も、社会全体として男性が育休制度を利用しやすい環境作りを行うことで、身体的・精神的ストレスを抱える産後女性の負担を減らすことが出来ると考えます。そして、産後女性の負担を軽減させることで、よく問題視されるマタニティブルーや児童虐待についての事例も減少していくのではないかと思います。
この度は、職場や患者様のご理解もあり産後パパ育休の取得に至り、職場のサポート体制がしっかりしていたことにとても感謝しております。これからは病院でも男性職員が育休制度を利用する事が増加していくと思われますので、育休を取得した経験を活かして、皆さんがストレスなく取得出来るような働きかけが出来ればと思います。
仕事と育児を両立させ、自分自身を常にフレッシュな状態に保つことで、これからも変わらず「あなたの“自分でできる”を応援します!」をモットーに理学療法士として患者様のお役に立てればと思います。