
皆さんはリハビリテーションと聞くと、病気や怪我を負った入院中の患者様に対して、自宅に帰る為に歩く練習や、日常生活の訓練をしているイメージが強いのではないでしょうか?
もちろん、それも私たちリハビリテーション科のセラピストにとって大切な仕事の一つですが、実は近年、地域でのリハビリテーション専門職の活動が重要になってきています。今回は、リハビリテーション専門職が、病院の外でどのように地域に貢献しているのか、その取り組みについてご紹介します。
まずは、リハビリテーション専門職の地域での活躍についてご説明します。
・介護予防教室・健康講座の実施
地域住民向けに体操教室や認知症予防教室等の健康維持のための講座を開催しています。転倒予防や、姿勢改善(サルコペニア、フレイル対策)・認知症の予防・改善など、身近なテーマが多く選ばれる傾向にあります。
・災害時の支援活動
災害時の避難所等での障害者・高齢者の支援や身体機能のチェック、仮設住宅での生活アドバイスの巡回等においてリハビリテーション専門職は能力を発揮しています。
・在宅訪問リハビリ
病気やケガが原因で通院が困難な方のご自宅を訪問し、リハビリを提供します。実際の生活環境の中で、その人に合った運動指導や動作練習を行うことができます。
・地域包括支援センターとの連携
高齢者の生活支援を目的とした地域包括支援センターと連携し、介護予防や相談対応にも関わります。

このように、地域リハビリテーションといわれる活動には様々なものがあります。
また、地域リハビリテーションの対象となる人は、病院で行うリハビリとは異なり、必ずしも病気やケガをした人というわけではありません。転倒やケガを予防したい方や、運動不足を感じている高齢者、退院後の生活に不安があるご本人やその介護を担うご家族様までも対象になります。
地域でのリハビリテーション専門職の活動の場や機会は近年どんどん拡大しています。それは、地域リハビリテーションでは、住み慣れた環境で安心してリハビリができる。生活の中で実際に困っている動作を一緒に改善できる。定期的なかかわりで、運動の習慣化や介護予防につながる等のメリットがあるからです。「医療による治療から安心・安全な生活の継続へ」という視点での支援が地域リハビリテーションの特徴です。
それでは、当院での地域リハビリテーションの取り組みについてご紹介します。
みどり病院では、同グループに訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所があり、在宅訪問看護・訪問リハビリテーション・ケアマネジメント業務等地域で暮らす方々のサポートができる体制を作っています。
みどり病院のリハビリテーション科としての地域リハビリテーションの活動としては、在宅訪問リハビリテーションや、行政が行う地域健康教室の講師登録等を行っています。
リハビリテーション科では、病院の中だけでなく、地域の中でもその専門性を活かして皆さんの健康と生活を支えていけるように心がけています。
特に、退院後、ご自宅での生活を支える地域のリハビリテーション専門職には、病院での身体機能や日常生活活動の状況、リハビリの進捗などの情報を共有することが大切です。ケアマネージャを通して、スムーズに医療から生活の場へとリハビリの状況が共有できるように取り組んでいます。
私たちリハビリテーション科では、地域の皆さんが安心・安全に暮らし続けられるように、これからも「自分でできる」をサポートしていきます。