認知症を防ぐために~アルツハイマー型認知症とコグニサイズ~

以前リハビリテーション科で、認知症をとりまく環境というテーマの記事が挙がっていました。その内容で、認知症には原因となる疾患は様々な種類があり、それぞれの特徴を知ることで対応の仕方が変わってくるという記載がありました。
今回の記事では、たくさんある疾患の中でも皮質性認知症に分類されているアルツハイマー型認知症についてのお話をしていこうと思います。

【アルツハイマー型認知症の症状】

アルツハイマー型認知症の初期症状として、物忘れが挙げられます。
アルツハイマー型認知症における物忘れは、老化に伴う物忘れとは少し違います。老化に伴う物忘れは、何かヒントがあれば忘れていたことを思い出すことができますが、認知症による物忘れは、何かしたこと自体を忘れてしまうため、ヒントがあっても思い出すことができません。

・老化に伴う物忘れ
→ヒントがあれば思い出すことができる

・認知症による物忘れ
→○○したこと自体を忘れてしまうため、ヒントがあっても思い出すことができない

<こんな症状がみられたらアルツハイマー型認知症のサイン!?>
□食事をしたことを忘れる
□探し物が見当たらなかった時に、「誰かに盗られたに違いない」などの発言が聞かれる
□同じものを何度も買ってくる
□最近の出来事が思い出せない

このような症状がみられたら、アルツハイマー型認知症のサインかもしれません。
気になる方は、早期にかかりつけ医の先生に診ていただくことをおすすめします。また認知症が進むと、今まで使っていた言葉や知識が思い出せなくなったり、相手に自分の思いを伝えることが難しくなったり、理解力が低下したなどの症状が出現します。さらに進行すると、着替え・食事をどのようにしていいのか分からなくなるなど日常生活に支障が生じてきます。そしてこれらの症状により、今までできていたことができないという恐怖感や不安感が、生活をするうえで大きな障壁になります。
このような状態に至るまでの経過は一様ではありませんが、おおよそ数年から十数年という場合が多いと
言われています。

【認知症が進行する前に…物忘れ予防!】

認知症に対する治療として、薬物療法と非薬物療法があります。
薬物療法は、進行を遅らせることができても、進行を止めることはできません。そのため、薬物療法と並行して、非薬物療法を行うことをお勧めします。非薬物療法にはたくさんの種類がありますが、今回は自宅で簡単にできる物忘れ予防の『コグニサイズ』という頭と体を使う体操を紹介したいと思います。

【コグニサイズとは?】

コグニサイズのコグニとは、コグニション(cognition:認知)という意味で、サイズとは、エクササイズ(exercise:運動)という意味です。コグニサイズは、この二つの言葉を合わせてできた造語で、頭の体操と体の体操を同時に行うことをいいます。
コグニサイズは、頭と体を同時に使うことで、脳への血液循環がよくなり、認知症の進行を遅らせることができるといわれています。では、実際にどのような体操か2つ紹介したいと思います。

【課題1:数を数える+足踏み+手を叩く】
①足踏みをしながら2の倍数で手を叩く(1~30まで)
②足踏みをしながら3の倍数で手を叩く(1~30まで)
※赤で手を叩きます

【課題2:数を数える+ラダーステップ】
・数を数えながら、右足→左足の順番で中→中→外→外(1234~4234×2回)

上記の内容が、慣れてきたら、回数を増やす・カウントを逆順にしてみるなどにも、チャレンジしてみてください。また、コグニサイズは毎日継続することが大切です!無理のない範囲で毎日続けてみてください。

【おわりに】

リハビリテーション科では、リハビリに関係する様々なテーマで、年に2回地域の方々に向けた『健康教室』を行っています。
前回6月に行われた第11回健康教室では、「物忘れについて」というテーマで、私が講義を担当させていただきました。梅雨の季節ということもあり、天候が不安定でしたが、たくさんの方々に参加していただきました。健康教室でも、今回の記事に記載しているコグニサイズを紹介し、皆さんと一緒に実践しました。健康教室の帰り際、参加された方から「楽しかった」や「今度地域の集まりがあるのでやってみます」という声をたくさん聞くことができました。楽しく物忘れ予防ができることを伝えることができ、よかったなと思いました。
まだまだ暑い日が続きますが、細めに水分補給をするなど体調管理をし、無理のない範囲で楽しく認知症を予防しましょう!