睡眠時無呼吸症候群(SAS)

当院では睡眠時無呼吸症候群の専門外来を開設しており、簡易検査から一泊入院の詳しい検査まで行っています。「昼間によく眠くなる」、「夜間にイビキを指摘された事がある」などをきっかけに睡眠時無呼吸症候群を疑われた患者様が当院に多くご来院されます。

当院で行う一泊入院のPSG検査(後述)は夜間からの入院となり、お仕事を終えられてからお越し頂く方も多くいらっしゃいます。また、翌朝も起床と共に検査終了となり(*8時間以上の睡眠が必要)そのまま出勤も可能です。夜間お休みの支度をして頂いた後に検査技師が機械の装着をします。目、耳、顎、頭部、下肢に電極を貼り付け、心電図の記録並びに呼吸を見るセンサー(鼻または口と胸部、腹部)や体位を見るセンサー、酸素濃度のセンサーなどを順番に取り付けて行きます。初めは緊張されている方が殆どですが、説明をしながらの取り付けで、終了時にはリラックスして頂け朝までお休み頂けるようです。装着に30分程度の時間を要します。

また、睡眠時無呼吸症候群は寝ている間にのみ症状がでるため、なかなか発見されず検査や治療を受けていない多くの潜在患者さまが多くいると言われております。早期の発見•治療で睡眠の質が向上し、日中快適にお過ごし頂けることとなります。それだけでなく、睡眠時無呼吸症候群が招く合併症(高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病など)の改善、予防に役立ちます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)専門外来のご案内

みどり病院では、下記曜日にて睡眠時無呼吸症候群(SAS)専門外来を行っております。診療担当表/外来のご案内(→ページへ)をご覧いただくか、みどり病院代表(電話番号:078-928-1700)までお問い合わせください。

金曜日:午前9時~12時
担当医師:室生卓

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状、原因、合併症について

SASとは睡眠中に呼吸が止まる状態が繰り返される病気で、「睡眠中1時間あたり10秒以上の無呼吸が5回以上起こる場合」とされています。そのために十分な睡眠がとれず、慢性的な睡眠不足になります。本人に自覚がないことも多く、また症状があっても適切な治療を受けていない人がたくさんいます。大きなイビキと無呼吸を繰り返したり、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず強い昼間の眠気があるなど、SASを疑う症状がある場合には、早めに医師の診察を受ける必要があります。

症状

睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状として、大きなイビキと無呼吸、日中の眠気、肥満、起床時の頭痛、不眠症、夜間頻尿、人格の変化、集中力の低下などがあります。

原因

睡眠時無呼吸症候群は「閉塞型」「中枢型」「混合型」の3つに分類され、最も多いのが閉塞型のSASです。閉塞型SASは上気道の閉塞により起こり、その最も大きな原因は肥満です。その他、扁桃肥大、小顎症(しょうがくしょう)、鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、アデノイド肥大なども上気道閉塞の原因となります。

合併症

睡眠時無呼吸症候群が進行すると体内が酸素不足状態になり、心臓や血管系に負担がかかり、高血圧、不整脈、心不全、脳血管障害、糖尿病などの合併症を引き起こし、生命が危険な状態になることもあります。

社会的影響

睡眠時無呼吸症候群特有の著しい日中の眠気は、交通事故や災害事故を起こす危険性が高くなり、居眠り運転による交通事故率は健康な人の7倍も高いというデータもあります。また、人格の変化、集中力の低下などの結果、社会的不適応、家庭内不和などをもたらします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)自己診断チェックシート

あなたも睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかもしれません。自己診断チェックシートで今すぐチェックしてみましょう!

ほとんどない:0点 時々(週に1回程度):1点 よく(週に2回以上)ある:2点

1
イビキがひどい
0
1
2
2
睡眠中に呼吸が止まると言われた
0
1
2
3
起床時の頭痛がある
0
1
2
4
午後になると疲労感が強い
0
1
2
5
車を運転すると、うとうとする
0
1
2
6
電車やバスに乗っている時眠ってしまう
0
1
2
7
テレビを見ながら、うとうとする
0
1
2
8
映画・講演会・会議などで居眠りしてしまう
0
1
2

※ 合計点数が6点以上あった場合はSAS外来の受診をお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

※平成30年4月より診療報酬改定に伴い、負担額が変更しています。

1.簡易検査(スマートウォッチ)

睡眠中の無呼吸の回数や血液中の酸素の飽和度などを測定します。自宅で検査が可能なスクリーニングが目的の検査です。

<スマートウォッチの費用>

1割負担の方約 900円
2割負担の方約 1,800円
3割負担の方約 2,700円

2.ポリソムノグラフィー(PSG)

一晩入院して脳波・心電図・イビキ・血液中の酸素の状態などを測定します。検査当日は午後6時までに入院していただき、就寝準備を整えてもらった後に検査機器の装着をします。朝、目が覚めた時点で検査は終了しますので、お仕事を休まずにそのまま出勤することも可能です。
※フルPSG検査機器「Alice PDx」を導入しました。

<一泊二日の入院費・検査費(PSG)>

1割負担の方約 8,820円
2割負担の方約 17,650円
3割負担の方約 26,480円

●検査は原則個室で行います。
●入院時検査、食事の有無等によって、費用は多少異なります。
●お車でお越しの際は、別途、駐車料金が必要となります。

SASの治療法

持続陽圧呼吸療法装置(CPAP)による治療

睡眠中に鼻から空気を送り込むことで、上気道の閉塞を取り除き、気道を確保する治療法です。ほとんどのSAS患者様に有効で、重症のSAS患者様でも治療を始めたその日から健康な人と同様の睡眠がとれるようになり、日中の眠気・起床時の頭痛といったSAS症状の改善が見られます。

◆CPAPの仕組み
SAS患者様は睡眠時、軟口蓋・舌根・咽頭蓋が下がり、上気道が閉塞することによって無呼吸状態になります。CPAPにより鼻マスクから一定の空気圧を送り、軟口蓋・舌根・咽頭蓋を押し上げ上気道を確保し、無呼吸状態の発生を回避します。

◆健康保険の適応
SAS検査であるPSG(ポリソムノグラフィー)で無呼吸・低呼吸指数(AHI)が20以上の時、在宅でのCPAP治療が保険適用となります。また、月1回の外来受診が必要となります。

◆CPAP治療にかかる費用
CPAP治療機器は当院契約会社からのレンタルになります。費用は、月1回の外来受診を含めて下記の通りとなります。

1割負担の方約 1,470円
2割負担の方約 2,950円
3割負担の方約 4,420円

機器導入後のフォローについて
当院契約会社が24時間体制で対応しますので、安心してお使いしていただけます。