日時:2015年11月28日(土)19:00~20:10
場所:ホテルモントレ神戸
座長:みどり病院 副院長 廣田一仁
特別講演:『先端医療-食による生活習慣病予防』
講演者:金沢大学 医薬保健研究域 脳・肝インターフェースメディシン研究センター准教授 太田嗣人先生
以前はアルコール由来の肝障害が注目されていましたが、近年、糖尿病や肥満など生活習慣病が由来で発症する肝疾患が見られるようになってきました。飲酒歴はないがアルコー ル性肝障害に類似した脂肪性肝障害がみられる病態をまとめて非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます。
肝臓の生活習慣病といわれるNAFLDは心臓イベントなどのリスクになったり、炎症や組織の線維化が起こる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)になる可能があります。NASHは肝硬変や肝がんへと進行することがあり、注目されている分野です。
一方、NAFLDは診断が難しい上、病因が複雑であるため、治療薬開発は進んでないようです。
今は研究段階である、脂質の過酸化抑制がビタミンEの250~500倍強いとされるアスタキサンチンの効果についてのお話を聞きました。肝臓に蓄積した脂肪滴や繊維化が改善されるという非常に興味深い内容でした。
その他にもミカンに含まれるβ‐クリプトキサンチンの良い効能などもお話しされ、とても内容の濃い講演でした。