弁膜症自身が20~30年前と変わってきています。まず高齢者が増えてきました。原因疾患も変わってきています。その治療法も変わってきつつあります。
その代表的な一つが僧帽弁逆流。1980年代後半までは人工弁に換える(弁置換)手術が行われていましたが、患者さんの自己弁を温存して直す(弁形成)手術が欧米に拡がって、私は80年代後半からそこでトレーニングを受け、神戸の中央市民病院で弁形成術を始めました。
今は、ガイドラインで「まず直せる弁は直しなさい」と謳われています。ただ、現実問題は、欧米でも日本でも、全国平均で60%ぐらいの症例しか直されていません。それを中央市民病院にいる間に20年以上、1,200例近く手術をさせてもらいましたので、今は全国各地で外科医のトレーニングなど、技術の普及に努めています。
できれば今後も、みどり病院での医療と同時に、画像診断(エコー)が随分良くなってきていますので、内科と一緒になって、色々な教育的活動も続けていきたいと思います。
みどり病院 心臓弁膜症センター長 岡田 行功