アジア胸部心臓血管外科学会2020 に参加して
(Asian Society for Cardiovascular and Thoratic Surgery 2020)
2020年アジア胸部心臓血管外科学会が2月7日から10日の4日間バンコクに次ぐタイ第2の都市チェンマイで開催された。会長は長年の友人であり、僧帽弁形成術で世界に名をはせたTaweesakであり、数年前から楽しみにしていた学会であった。チェンマイは乾期で花の季節であり、Taweesak 会長が最もよい季節のチェンマイを選んだとのことです。期間中の土曜日にはFlower Festivalが開催され、写真のような花で飾られた自動車、着飾った娘さん達が目抜き通りをパレードし華やかな雰囲気であった。
学会の参加者は欧米、(コロナウィルス感染による中国を除く)アジア諸国、中近東から多くの心臓血管外科医が参加し、参加者の総数は1000人を超えたとの報告であった。
小生は1)僧帽弁逆流に対する弁形成術における人工弁輪の役割、2)感染性心内膜炎による僧帽弁逆流に対する弁形成術、3)三尖弁逆流に対する三尖弁形成術の適応と方法、の3演題であり、1)2)に対しては神戸市立医療センター中央市民病院当時からの20-30年間の歴史とその成績を発表して好評を得た。一方、3)三尖弁逆流に対する三尖弁形成術は高齢者が多く、半数以上の症例はみどり病院に異動してからの成績であり、新しい心エコー図検査機器、解析方法を使っての発表はクリーブランドクリニックから参加された大御所のPetterson教授から素晴らしいコメントをいただき、発表後には一緒に写真を撮らせていただいた。
40年以上の心臓外科生活で弁膜症に関する報告を30年継続してきた結果、欧米を中心に多くの友達と交流できるようになり、Perie、Lange、Pomar、Antonesなど各国を代表する弁膜症外科医と再会できたことは大変なよろこびであった。今年も引き続きローマ、バルセロナで大きな学術集会が開催されるので再会を約束して別れた。
倫生会みどり病院心臓弁膜症センター
センター長 岡田 行功