利用者さんの「人」を見て ~ヘルパー研修「介護日誌の役割と演習」~

去る4月6日、第83回ヘルパー研修「介護日誌の役割と演習」を開催しました。
私たちは介護保険制度のもとで日々訪問介護サービスを実施していますので法令上必要な情報の記録と保管が同制度上義務付けられています。
介護日誌はそうした日々のサービス内容の証明、連絡、連携、情報共有、証拠としての役割を果たしています。
利用者さんの生活状況、心身の状態、食生活などを把握する上でも介護日誌の作成は訪問介護のヘルパー業務の中でも重要な仕事となっています。

<記録は客観的に、そして明確に>

介護日誌を作成する上で注意する点は“特に変わりなかった”で終わらせないことです。
またヘルパーの主観に偏った感想や解釈を書かない。
曖昧な数値や尺度を記載することは避けるようにします。

“少し食べられるようになった”ではいつと比べてどの程度食べられるようになったのか、
“ずいぶん歩けるようになっていた”では客観的な距離を、

イメージしにくい表現と言わざるを得ません。

“お茶碗の1/3程度まで食べられるようになった”
“ベッドからトイレまで杖で歩行できるようになった”

と記載することで読み手のイメージや事実を明確化しやすくなります。

<具体的に記録することで気づきが生まれる>

訪問時に利用者さんの様子はどうだったか?
顔色や声の調子、会話した内容

“ヘルパーの調理した食事が次の訪問時にいつも残っている”
“最近薬を飲み忘れている”
“尿臭がする”
“何度も同じ話しを繰り返すことが増えた”

など気づいたことを介護日誌に書き残すよう指導しています。
調理したものが口に合わないのか?食欲が低下してきたのか?
歯の状態が悪いのか?
物忘れが進んできて薬が飲めなくなってしまったのか?
億劫になって入浴ができていないのか?
様々な気づきが生まれます。
これらのことを5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を活用しながら記録に残すことでよりわかりやすい介護日誌にすることが出来ます。

<学んだことを実践しよう>

利用者さんの”異常”の早期発見、予測、質の高いケアを継続する為にも介護日誌の役割は重要です。
次回の研修では今回学んだ記録の要点を振り返りながら、実践的な演習を行う予定です。