手をつなぎ、一緒に歩んだ日々、これから先も皆さんと一緒に

「始まりは…」

令和3年7月1日希の丘は5周年を迎えました。
思い起こせば5年前、平成28年7月1日、ワクワクやドキドキ、不安と期待に胸を膨らませて、グループホーム希の丘はオープンいたしました。
職員は6月16日からの2週間で色々な研修会や勉強会を開催し、これから迎える利用者さんとの日々を想像しながら、その日を待ちました。

初日に入居された方はさくらユニットには、男性1名、女性1名のお2人、もみじユニットにはご夫婦が1組入居され、総勢4名の利用者さんが入居されました。
職員のほとんどがグループホーム未経験で、日々試行錯誤しながらみんなで毎日を過ごしていたように思います。

「初めてのお別れ」

オープン初日に入居されたMさんの体調が悪化し、ホームで初めての看取りとなったのは平成29年5月のことでした。職員の中でも、看取りは初めての経験だった人が多く、悲しい経験となりましたが、今後もこの施設ではこのような経験をしていかなければならないという覚悟も持てた経験となりました。

そしてこの5年で8人の方とのお別れがありました。お一人お一人の事は今でも忘れていません。どのようにこの希の丘に入所され、どのようにここで過ごされ、ここで家族の方と笑顔で過ごされている時の表情や、私たち職員にかけてくださった優しい言葉、時には人生の大先輩としてお叱りをいただいたこともあります。そしてお別れの時。その一つ一つを大切に、自分のこの介護士としての心に留め、そして時々思い出します。

「手をつないで」

5年…と一言でいうとあっという間に感じますが、本当に色々なことがありました。
利用者さんの状態も変化がありました。入所当時にはできていたことができなくなったり、このコロナ禍の中で家族様との面会がなかなかできずに、不安を募らせてしまい、色々なことを忘れてしまわれる方もおられます。

けれどこの5年で、私たち職員と利用者さんで築き上げてきたものもあると思います。それは信頼関係だと思います。中にはまだ入所の月日が短く、信頼とまではいかない方もおられますが、長くここに居られる方とは、顔なじみの関係は築けているのではないかと思います。けれど、皆さん認知症があるので、忘れてしまうこともありますが、手をつなぎ、一緒に歩いているといつの間にか、強く握り返してくださることもあります。そんな時は心がホッとします。

「職員の想い」

職員の中ではオープン当時から一緒に働いているメンバーは約半分になります。そして新しく一緒に働いているメンバーは半分。この22人でこの希の丘を盛り上げています。職員皆が同じ方向を向き、互いに高め合い、利用者さんの為に笑顔で日々お手伝いができるように月に一回の職員勉強会や、研修会等開催しています。そして月1回のチームでの会議、毎月積極的な意見交換で時間が足りなくなることもありますが、真面目に仕事に取り組んでいます。希の丘で暮らされる利用者さんの生活がより良いものになりますようにと願いを込めて…。

「5周年祝賀会」

7月16日に5周年祝賀会を開催しました。会は、5年の月日を振り返った映像を皆さんで観賞し、ご馳走をいただき、そして職員バンド「ノゾミンズ」の演奏と、職員によるフラダンス。各リーダーの5年を振り返った言葉、そしてホーム長の挨拶。ホーム長の挨拶は心にジーンと来るものでした。やはり、この希の丘に対する思いが誰よりも強く、責任感があり、ここまで職員の心を一つにするまでには相当の苦労があったはずです。そんな姿を近くで見ていた私ですが何も手伝えることがなく、自分自身にジレンマを感じる日々を過ごしたこともありました。ですが今は、微力ながらも少しは役に立てるようになってきたかな?と思える日もたまにあります。

これからもリーダーをはじめ、職員の皆さんとともにこの希の丘を大切に守っていきたいと思います。
利用者さんの笑顔の為に…
来年、再来年、そして10年20年後に向けて地域の中で頼りになる施設をめざしていきたいと思います。