髪の寄付でつながる人の優しさ〜初めてのヘアドネーションが教えてくれたこと〜

こんにちは、みどり訪問看護ステーション看護師のMです。
先日、初めてヘアドネーション(頭髪の寄付)を体験しました。
ヘアドネーションという言葉をまだまだ知らない方は多いと思います。この記事を読んで少しでも興味を持っていただき、また、これからしようと思っている方や興味のある方には情報を発信できればと思いました。ヘアドネーションをして思ったこと、考えたことをまとめていきたいと思います。

~ヘアドネーションとは~

ヘアドネーション(英:Hair Donation)とは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子供のために、寄付された髪の毛でウィッグを作り、無償で提供する活動のことを言います。

~ヘアドネーションをしたいと思った動機~

初めからヘアドネーションをしたいと思って髪の毛を伸ばしていたのではなく、
①美容院に行くのが面倒くさい、②美容師さんと話すのが苦手などがあり、気付いたら随分と髪の毛が伸びていたという感じです。
「そろそろ髪の毛切らないとなぁ」と思っていた頃にテレビでアナウンサーの方がヘアドネーションをしたことを話されていました。その時になぜか「これだ!」と感じ、ヘアドネーションするために更に髪の毛を伸ばそうと思いました。

~ヘアドネーションの流れ~

ヘアドネーションに参加するには、原則31cm以上の髪の長さが必要と言われています。
これはフルウィッグを作るのに、髪の長さが31cm以上必要になるからとのことです。
しかし、15cm未満からの寄付を受け付けている団体もあるようなので、寄付する団体の条件を確認してみてください。

日本でヘアドネーションを主催している団体は、
・特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity (JHD & C)
・特定非営利法人HERO
・株式会社グローウィング つな髪プロジェクト
などがあります。他にも複数の団体が活動されています。各団体のホームページで自分の思いや髪の長さに合う団体を探してみてください。

長さ以外の条件としては、
毛量:規定なし
髪の状態:完全に乾いている
髪質:くせ毛でもOK
髪色:規定なし(カラーや縮毛矯正、白髪など、いわゆる素の状態でない髪もヘアドネーションの対象)
軽く引っ張っただけで切れるほどのダメージでなければ寄付できます。

髪の毛が伸びたら、いよいよカットです。カットの方法は、
①自分でカットする
②美容院でカットする
③ヘアドネーション活動の賛同美容院でカットを行う
です。

切り方には条件があり、
①シャンプー前に髪を3~5束に分けて輪ゴムでとめる
②輪ゴムでとめた部分より1cm上からカット
③3~5束の髪をさらに一束にまとめる
が必要です。

なかなか自分でカットするにはハードルが高いです。寄付するなら、ヘアドネーションカット対応のサロンを利用するのがベストだと思われます。
寄付団体に協力している「ドネーション賛同サロン」を予約しておくと、対応がスムーズです。
カットした髪を送りたい団体に届けるには、自分で郵送して送るのが一般的になっています。

私の場合は、スマートフォンで“ヘアドネーション、明石市、美容院”で検索をかけ、カットする美容院を決めました。予約日に美容院へ行くと、カットの長さやカット後のヘアスタイルの相談、ドナーシートの記入も美容師さんがしてくれました。ヘアドネーションを職場のウェブサイトに載せたいことを話すと、快くカット工程の写真撮影にも協力して下さいました。
カット後はカットした髪を丁寧にビニール袋に入れて下さり、カットした美容院は特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity (JHD & C)の賛同サロンであったため、そこの住所が書いてあるメモをいただきました。

カット後、すぐに郵便局に行き、520円のレターパックで郵送しました。レターパックは追跡サービスで配達状況を確認することができました。
以上がヘアドネーションの流れとなります。

~色々な考えがあってもいい~

今回、ウェブサイトの記事をまとめるためにヘアドネーションについて調べていると、“ヘアドネーションは意味がない”という言葉が検索ワードによく出てきました。
人毛は誰のものかわからないし、気持ち悪いと思う人もいるでしょう。
今は技術が進歩し、人工毛で作ったウィッグも以前に比べると、見た目や手触りなどの不自然さは少なくなってきているようです。

古着や中古車が嫌な人もいます。人毛が嫌いな人がいてもおかしくありません。
小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故…治療にはお金がかかります。人工毛にしても、人毛にしてもウィッグを購入するにもお金がかかります(人毛は高価)。お金がかかるため、ウィッグの購入を諦める人もいるでしょう。
そうした中で、希望した人が順番に自然な人毛のヘアウィッグを無償でプレゼントしてもらえるヘアドネーションは意味がないことはないと思います。

ウィッグが欲しいと思う子は女の子が多く、そして、ロングのウィッグを希望している子が多いとのこと。原則31cm以上の髪の長さが必要とのことで、31cmを目指していましたが、31cmではミディアムウィッグ、50cm以上ないとロングウィッグはできないそうです。髪の長さは長ければ長い方が良いということは記事をまとめていて知りました。

私は看護師をしているので、「身近な人がもし病気になったら」などと考える機会が多いように思います。テレビを観たり、新聞を読んだりしていても、自然と健康や病気の内容が気になります。
職業や立場、年代などによって、気になる内容は違ってくるでしょう。
私はたまたま「してみたい!」がヘアドネーションでしたが、人それぞれ「やってみたい」「してみたい」は違うと思います。

~さいごに~

今はコロナ禍のため、人と人との絆であったり、助け合いであったり、人と人との繋がりの希薄さが増しているように感じます。また、子どもたちも学校での行事や部活動など行動や活動が制限され、たくさんの時間や経験を失ってしまっているように感じます。
コロナ禍でも人に対する配慮や想像力を働かせることができれば、コロナ後の社会も明るい未来が待っているように思います。