「介護を受けるようになった」患者さんとご家族の心と身体を支えたい〜私が当事者になって見えた景色〜

みなさんこんにちは。私はみどり訪問看護ステーションの事務業務に従事しています。
そして、ケアマネジャーに従事していた経験をもって、ご利用者やご家族からの電話や窓口の応対等に関わらせていただいています。
そんな私が介護の仕事に関わらせていただく中で大切にしているのは、「ご利用者やご家族の気持ちに寄り添い、専門職が持つ知識や経験そして必要な情報を積極的に発信する」ことです。

例えば、病気やケガ等で介護が必要になったご利用者やご家族にとって、「自力で情報を得る」のは非常に困難なことだと思います。
というのも、これまで情報を提供する側の立場であった私が、あまりにも突然に起こった家族の病気の発症から入院をきっかけに、これまで当たり前に過ごしてきた平穏な日常とはかけ離れた現実と向き合う日々になったことで、病気に関する知識やこれからの生活に関わる制度、手続き等の情報を必要とする当事者となり実感したからです。

今やネットで検索すれば、たくさんの情報を得ることができますが、情報量が多すぎて欲しい情報をすぐに手に入れることは容易ではなく、次にどういう行動をとればいいのかがわからないということがありました。介護に携わる仕事をしている私でさえそんな状態でした。今後どうなっていくのだろうという大きな不安の中、頼りにできるのは入院中に関わっていただいた各専門職からの情報提供や助言でした。

医師からの病状や経過説明、そして厳しい現状からくる不安や緊張を解きほぐしてくれる言葉かけで救われることがありました。看護師からは、経験と知識を基に現状の身体状況に添った本人や家族への厳しくも真心のこもった看護指導や言葉かけ、当初先の見えない真っ暗なトンネルの中にいる様な気持ちの本人へ希望の光となる助言をしていただきました。

入院当初、私の家族である患者本人は首から下は自力で身体を動かすことができない状態でしたが、セラピストからはコツコツと地道で辛く厳しいリハビリも「今やっていることは3か月後に効果が出てくるからね」と励ましていただき、常に笑顔になれるコミュニケーションで前向きな気持ちにしていただきました。

そして、地域連携室の医療ソーシャルワーカーからは、退院後に必要な障害福祉サービスを利用するまでの流れ、障害者手帳交付の申請手続きや手続きのタイミング等説明して頂き、実際の手続きの段階でもサポートして頂き大変助かりました。

ネットで得る情報よりも、本人を治療・看護してくれている医師や看護師・セラピスト・医療ソーシャルワーカーから発信されるリアルタイムの情報が何より役立ち信頼できました。その時その時に必要な情報を提供してもらえたことで、退院に向けての必要な動きがわかり、一つずつクリアすることで不安要素が減っていきました。

病気やケガ等発症当初は本人や家族は大きな衝撃を受け、落胆し、先の見通しができない状況に陥ってしまいがちです。
何の情報も持っていない当事者にとって、専門職が持つ知識や経験そして情報がどれほど重要であるか、そしてそれは的確なタイミングで行われてこそ効果を発揮するという事を身をもって感じました。また、当事者側になって「1度の説明で全てを理解するのは難しい」という事を改めて実感しました。

この経験をして、改めてご利用者やご家族に安心して些細なことでも気軽に相談していただける自分でありたいと思いました。
急な病気や怪我で、「すこやかな日常」を理不尽に奪われた方々とご家族にとって、不安やつらさを和らげ、元の暮らしを取り戻すための一助となる情報を発信できればと思います。自分にとって最適な介護サービスは、待っているだけでは受けられません。訪問看護師やケアマネジャーに相談して、今自分にどんな介護サービスが必要なのか、受けられるのか、情報収集と申請・手続きが必要です。

私たち、みどり訪問看護ステーションは、みなさんの「暮らしに笑顔」を取り戻すために、スタッフ一丸となって患者さんご本人とご家族をサポートして参ります。
地域の皆様、これからもみどり訪看をどうぞよろしくお願いします。