骨折についての記事も第3弾となりました!
レントゲン・CTに続いて今回はMRIの目線で骨折について紹介させていただきたいと思います。
~MRI検査は炎症に強い!~
「骨折①~レントゲン写真で必ず骨折が分かるわけではない!?~」
上記の記事内でも紹介させていただいたとおり、レントゲン写真で必ず骨折が分かるわけではなく、”分からない”あるいは”骨折とは断定出来ない”ことも少なくありません。
また、レントゲン写真では骨折によるまわりの筋肉の炎症なども判別が難しく、CT検査でも薬(造影剤)を使わないと炎症の判別は難しいことが多いです。
そんな中、MRI検査は薬を使わなくても炎症の判別に強く、骨折が新しいものなのか・古いものなのかという骨折の時期まで判別することが出来ます。
~骨折の時期が分かるMRI~
MRI検査は新鮮骨折(新たに生じた骨折)なのか、陳旧性骨折(もともとあった骨折)なのかが分かるという特徴があります。(図1)
図1で黄色の丸で囲ったところが圧迫骨折となります。
この2枚の画像は同じ患者さんを撮り方を変えて撮影したもので、左の画像を見ていただくと椎体が崩れるように割れているのがわかります。
また右の画像では、丸で囲った椎体が白く光って見えることから、この骨折は新しいものであることが分かります。
~MRI検査でしか分からない骨折って??~
不顕性骨折という言葉をご存知でしょうか?
不顕性骨折は潜在骨折やオカルト骨折とも呼ばれており、病気の過程は始まっているにも関わらず、初診時のレントゲン写真では明らかに診断できない骨折をいい、不全骨折・疲労骨折・骨挫傷を総称して使用されています。
この不顕性骨折はMRI検査での診断が有用で、わずかな骨髄内の浮腫や出血が確認されることから診断されます。
図2で赤色の丸で囲ったところが不顕性骨折となります。
左のレントゲン写真では骨折は確認出来ませんが、中央のMRI画像では黒く、右のMRI画像では白く写っているのが確認できます。
このように、MRI検査でしか確認できない骨折もあるのです。
今回まで骨折について、レントゲン・CT・MRIと3回に亘ってご紹介させて頂きました。
これまでの骨折についての記事も下記のリンクより、合わせてご覧下さい。
「骨折①~レントゲン写真で必ず骨折が分かるわけではない!?~」
「骨折②~CTで骨折はどう見える?~」