糖尿病ってどんな病気?
糖尿病とは読んで字のごとく、糖が尿に流れてしまう病気です。血液中の糖の濃度が高すぎて尿にまで糖が出てしまう状態になっているということです。ではなぜ糖が尿から流れてしまうのでしょうか?通常、血液中の糖の濃度はインスリンと言われるすい臓から分泌されるホルモンによってコントロールされています。何らかの原因によってこのインスリンが分泌されない、もしくは分泌量が不足すると細胞が糖を取り込むことが出来ずエネルギーとして利用できなくなり、血糖が高い状態になります。血糖値が高くても、最初のうちはほとんど症状を感じることはないのですが、血糖の高い状態を放置することによって、次第に全身の血管や神経が傷ついて全身のさまざまな臓器に障害をきたしていきます。
糖尿病による3大合併症は「 し め じ 」!?
し
神経障害・・手足の先にしびれや痛みを感じる知覚異常が特徴。
め
網膜症・・・目の網膜の血管に障害が起こり、視力低下やひどい状態になる
と失明の恐れもあります。
じ
腎症・・・・腎臓の細い血管が障害を受けることで体内の老廃物を排泄する
機能が低下していきます。それにより、「透析」治療が必要となります。
糖尿病は自覚症状がなくても、見えないところで合併症が進行しています。
そして、気がついた時には合併症のため、日常生活に支障があらわれているということが少なくありません。また、心臓病や脳卒中など、直接死亡リスクに関係する動脈硬化を引き起こすこともわかってきました。しかし、きちんと血糖値をコントロールできれば、合併症を予防できることもわかっています。そのためにも、しっかり治療を行い、きちんと血糖値を下げることが必要です。
そして、糖尿病についての知識を増やすことは糖尿病とうまく付き合っていくためとても大切なことです。
あれダメ、これダメ...結局、何食べたらいいの? 管理栄養士
糖尿病の食事療法と聞くと、食べたらいけない物が多すぎて、食べる楽しみが何もなくなると思っていませんか?もちろん今までと同じというわけにはいきませんが、食べる内容や量、時間を見直す事で『無駄に』上げない血糖コントロールを目指していきます。それを邪魔するのが、長年身についた『ついつい、ダラダラ』。その生活を続けていると、いくら服薬や運動しても効果半減です。糖尿病治療のキホンはまず、『食事』からです。一人で悩まずいつでもご相談お待ちしています。
あなたにぴったりな薬はきっとあります! 薬剤師
糖尿病は血糖値が高くなってしまう病気ですが、血糖値が高くなる原因は、インスリンの分泌量が少なかったり無かったり、分泌はされているが働きが悪かったりと、人それぞれ異なります。そのため、それぞれの患者さんに合った薬を使用する必要があります。最近は使用出来る薬がひと昔前に比べると格段に増えたので、患者さん個々に合った薬を使用する事が出来るようになってきています。ですから、あなたにジャストフィットの薬がきっとあると思いますよ。
有酸素運動+適度な筋トレ の継続、継続。 理学療法士
運動療法は糖代謝の改善、インスリン感受性の向上により血糖値を低下させる効果があります。ウォーキングや水泳などの有酸素運動を、“ややきつい”と感じる程度を目安に、1回15~30分、1日2回、週に3~5日の頻度で行いましょう。加えて、太ももや腹筋、背筋など大きな筋肉の適度な強度の筋トレを行うとより効果的です。また、運動は食後1~2時間後に行い、インスリンや血糖降下剤使用中の方は低血糖に注意が必要です。
※糖尿病の方の中には、運動を禁止・制限した方がよい方もいます。運動を始める前に主治医に相談しましょう。
無自覚性低血糖と自動車運転免許 2階病棟看護師
平成25年に改正された道路交通法により、無自覚性低血糖など意識障害を起こす可能性について虚偽の申告をして免許を取得・更新した場合に、罰則が適用されることになりました。低血糖を繰り返すと、軽い低血糖では自覚症状を感じにくくなることがあります(無自覚性低血糖)。運転中、低血糖症状を自覚しないまま、突然意識がもうろうとする、意識がなくなるなどの症状(中枢神経症状)が出てしまいます。自身や同乗者、周囲の安全を守るためにも、自身の糖尿病の状況を主治医とよく相談し、運転ができるかどうか、安全運転のために何を注意すればよいか確認しておきましょう。
糖尿病とフットケア 人工透析室看護師
糖尿病が進行すると、足の合併症が高率で出現します。神経障害として知覚が鈍くなり暑さ寒さや痛みを感じにくくなったり、痺れのため足の感覚がなくなったりします。また、高血糖持続により免疫能が低下する事と微小血管がつまり血流が悪くなり、小さな傷が治りにくかったり、傷の進行に気づかず重症化し切断に至るケースも少なくありません。切断すると日常生活が大きく規制されてしまうため、日頃から足の観察をしましょう。
▶ 入浴時に自分の足および趾間を自分の手で洗う
⇒自分の手で洗うことで傷や水疱、出血や浸出液などの観察が出来る。
▶ 足首や足のゆびの運動
(自力で出来ない人は、手で介助して行う)
⇒足趾の血行促進
グー
チョキ
パー
▶ 深爪にしない
⇒爪が食い込み傷をつくる。