隔離病棟でも患者様、ご家族に寄り添い続けるために〜新型コロナと闘った3年間を振り返って〜

今年4月で私がみどり病院に勤めて4年目になりました。個人的な事ではありますが、昨年は部署移動により新しい知識も増え患者様からたくさん学ばせて頂く機会がありました。

2020年1月に国内で新型コロナウイルス感染者が初めて確認されました。4月には緊急事態宣言が全国に発令され、私たちの日常生活はコロナにより大きく変化しました。そんな中、2階病棟では昨年からコロナ病棟ができました。

病床は6床と少人数ではありますが、初めての経験から日々不安と向き合いつつ、自分が感染するかもしれないという恐怖もありました。病棟でもクラスターになり、スタッフから陽性者や濃厚接触者が出たため人手が足りない現状でした。ですが、スタッフ一同助け合い協力のもと、コロナ禍を乗り越えています。

私がコロナ病棟で患者様と関わった際に、多くの患者様が「いつまでここにいるの?」と発言をされていたのをよく覚えています。入院後すぐに隔離され完全防護の医療者としか関われない疎外感の中、長時間ベッド上で過ごさなければなりません。

私自身、コロナに感染した経験があり、自宅療養でしたが、発熱・喉の痛みなどの症状に10日間という隔離期間で身体的・精神的にも辛い思いをしました。この経験があったからこそ、患者様の気持ちがよく分かります。心身共に辛い思いをされているからこそ、看護師として患者様の気持ちを傾聴し寄り添う看護が必要です。

看護師1人に対して、満床の際は6人の患者様をみており、日々の業務に追われ十分に看護が出来ていないのではと感じることもありましたが、無事に退院される患者様を送り出したり、患者様やご家族様からの感謝のお言葉を頂くことでやりがいを感じることが出来ています。

また、コロナ禍であり患者様とご家族様は面会が制限されています。患者様はもちろん、面会が出来ないご家族様も非常に辛い思いをされていると思います。このようなご家族様へどのようなサポートをすればよいのか、日々考え、介入しています。ご家族様の不安に寄り添うため、ご家族様にお電話した際や、来院された際には患者様の状態をお伝えし、少しでも不安を取り除く関わりができるように日々努力しています。

以前、コロナ病床で患者様をお看取りする場面がありました。コロナに罹患している患者様は亡くなられた後、納体袋に納めご家族様と顔を合わせられないまま火葬場へ向かいました。家族様が最後を看取ることが出来ずに大変胸が苦しかったです。ご家族様もきっと心残りもあるかと思います。ご家族様の想いを受け取り、患者様へ最後のエンゼルケアを行わせていただきました。

不安や恐怖を抱える患者様、ご家族様に寄り添う気持ちを持ちつつ、患者様と自分の身を守れるようこれからも頑張っていきます。新型コロナウイルス感染症は今月から感染法上の分類が第5類に移行となりました。マスク着用が個人の判断に委ねられることや医療機関の受診方法なども変わることになると思います。今後、どう変化するか不安な気持ちもありますが、十分な感染対策の下、患者様とご家族が以前と同じように日々を笑顔で楽しめることを願っています。