病院職員に向けた年末調整の手引き

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早いもので2015年も残すところ、あと1ヶ月とわずかになりました!!
「年末までにしておくことって何?」と考えると、まず思い浮かぶのはどういった事でしょうか?年末になると大掃除に年賀状の準備、帰省等に大忙しですよね。

私たち総務課も、年末最終出勤日には部署をあげて大掃除を行います。コピー機やFAXを磨いたり、机を拭いたり、不要になった書類をシュレッダーにかけ、いっぱいになったゴミ袋が大量に現れます。こうして総務課の部屋もきれいにして新年を迎える準備をしています。さらに、病院玄関前にしめ縄、鏡餅を飾り付けし、総務課の1年は締めくくられます。

また、年賀状は病院には関係ない・・・と思われるかもしれませんが、病院も年賀状のやりとりをしています。今のご時世、個人的には年賀状よりもメールで済ませる、という方が多いかもしれません。古くさいかもしれませんが、年賀状のやりとりも病院と地域を繋ぐひとつの架け橋だと考えています。
そして、まだ年末までにしておくべき、忘れてはいけない事があります!!

何かおわかりですか?
それは、「年末調整」です!!

この「年末調整」という言葉、「よく耳にするけど意味はよくわからない・・・」、「そもそも年末調整って何?」という基本的な疑問から、年末調整に必要な書類等を病院職員に向けて説明したいと思います。また、会社で年末調整のための書類を提出するように求められた方や、私たち総務課と同じように、年末調整をする立場の方の参考になれば幸いですので、ぜひ読んでみて下さい。

総務課が給料計算をする際、皆さんのお給料から毎月、所得税を引いて総務課が取りまとめて税務署に支払っています。私たち総務課は、税務署と職員を繋ぐ架け橋の役割もしているのです。この、所得税が年末調整に関わっているのですが、年末調整を一言で言うと、一年間(1月~12月)の所得と、その所得に係る税金(所得税)の過不足を年末に調整する、と言う意味です。

では、「なぜ過不足が生じるのか?」と、疑問に思いますよね。それは、私たちの毎月のお給料から差し引かれる所得税は一時的に計算される概算の金額であって、本当の所得税の金額は一年間に得た所得と、そこから控除されるもの(扶養家族の有無、生命保険料の有無、住宅控除の有無など)が確定してから決まるからです。そして、所得税が確定すると、毎月のお給料から多く引きすぎていた場合は還付があり、少なかった場合は追加で徴収することになります。
この手続きを行うために、職員の皆さんには、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を記入して提出していただく必要があります。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、翌年の配偶者控除や扶養控除等の計算の基礎になりますので、変更等があれば必ず申告をお願いします。扶養者がいる場合、添付書類が必要なこともありますので、合わせての提出をお願いします。

「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」は、当年1月~12月までに支払った生命保険料、地震保険料、社会保険料等が控除の対象となります。加入している保険会社などから「保険料控除証明書」が送られて来るので、そちらの金額を記入し、証明書も合わせて提出をお願いします。
他にも、住宅ローンを支払われている方、今年入職された方で、1月~12月に他の場所で勤務されていた方は、提出していただかなければならない書類がありますので、そちらもお忘れなく提出して下さい。年末調整で所得税控除を受けるために提出できる書類を以下にまとめたので、参考にして下さい。

・生命保険料控除を証明する保険会社から送付されるハガキ
・損害保険料控除を証明する保険会社から送付されるハガキ
・個人型の確定拠出年金の掛け金を証明する書類
・国民年金や国民健康保険などの社会保険料を証明する書類
・配偶者特別控除に必要な配偶者の収入証明(源泉徴収票等)
・住宅ローン控除に必要な書類(住宅借入金等特別控除証明書・申告書・借入金の年末残高等証明書)
・医療費控除に必要な医療費や交通費等を証明する領収証

所得金額に過不足があったり、扶養家族の増減が不明だったりすると正しい年末調整ができません。年末調整ができなかった場合は、個人で確定申告を行い、所得税を確定しないといけなくなりますので、ご注意下さい。

年末調整の対象者は以下のとおりになります。
(1)1年を通じて勤務している方
(2)年の途中で入職し、年末まで勤務している方
(3)年の途中で退職した方のうち、以下に該当する方
・死亡により退職した方
・著しい心身の障害のため退職した方で、本年中に再就職ができないと見込まれる方
・12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けてから退職した方
・パート(非常勤)として働いていた方で、本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下である方
(4)年の途中で海外の支店に転勤したことなどの理由により非居住者(※)となった方
※非居住者とは、国内に住所も1年以上の居所も有しない方をいう

忘れずに年末調整を行い、気持ち良く新年を迎えましょう。^v^