前回に引き続き、カルテのお話。
前回は「昔」のお話でしたが、今回は「今」のお話をしてみたいと思います。
昨年の10月1日から電子カルテが稼動し始めて、もうすぐ1年が経とうとしています。
稼動してからはまだ1年足らずですが、導入の検討が始まったのは、さらにもう1年以上前になります。
まず、平成26年度の中長期計画にて「電子カルテ具体的検討開始」という方針が掲げられました。
その方針に基づき、7月には院内学習会「電子カルテ導入に向けて」を開催。
8月には第1回の電子カルテ導入検討委員会を開催。
名付けて「DKI(Denshi Karute Iinkai)」!!
∗ 「情報共有」
∗ 「業務の効率化」
∗ 「患者サービス向上」
を目的として具体的な検討を開始しました。
まずはどのメーカーにするか、ということで、9月に7社のプレゼンによる第一次選考。
10~12月にデモ会・職員アンケートにより4社に絞り込みました。
年が明けて、平成27年1~3月には、各部門ヒヤリング、導入病院の見学等を経て3月末に半年以上をかけてやっとメーカーを決定。
桜満開の4月からは、実際にどのように運用するかの打合せを開始。
お薬が出たとき、検査の指示が出たとき、診察だけのとき、それぞれの人の動きと伝票の動きが今どうなっているか。
そして電子カルテになるとどうなるのか。
みんな普段当たり前にやっていることなのですが、改めて整理してみると無駄なことも多かったり…。
毎日大変でしたが、業務の見直しの良いきっかけになりました。
それと並行して、院内のインフラ整備も進めなければいけません。
サーバーの設置や院内ネットワークの配線工事は、ゴールデンウィーク返上で行いました。
各部署にパソコンやプリンターが配置され、7月には100名を超える全職員が業務の合間をやりくりして操作研修を受講。
各部署でのリハーサルを繰り返し、8~9月には全体でのリハーサル。
そしてやっと迎えた10月1日。
いろいろなトラブルに備えて、職員総動員で体制をとりましたが、思ったほど大きなトラブルもなく午前の診察を終えることができました。
しかし、それは終わりではなく始まりでした。
出したい薬が入力できない、出るはずの伝票が印刷されない、検査結果がうまく見れない・・・等々、毎日あちこちでトラブルの連続。
ただ単に入力方法をまちがっていた、プリンターのコードが抜けていた、電源が入っていなかった・・・等々の操作の不慣れからくるものもあれば、システム上の不具合もあり、DKIのメンバーを中心に、メーカーの人と協力しながら毎日夜遅くまで対応に追われました。
それは、稼働から1年が経過しようとしている今日も、頻度や内容は変われどまだ続いています。
カルテがどこでも見られる、カルテの字が読み易くなった、業務が効率化されて残業が減った、等々プラス材料も少なからずありますが、電子カルテ反対派も中にはまだ根強くおられるようです。
ただ、電子カルテは一つの道具にすぎません。
道具をどううまく使えるかがこれからは重要になってくるのだと思います。
みどり病院と電子カルテの戦いはまだまだ続く!?