配偶者控除とは?

20161021_general-affairs_01
最近、ニュースで「配偶者控除廃止!?」という話題を耳にしたことはありませんか?
政府・与党は2017年度税制改正に向け、主に夫が働き、専業主婦やパートタイムで働く妻のいる世帯の所得税負担を軽減する「配偶者控除」の見直しに乗り出しました。

では、「配偶者控除」とはいったい何なのでしょうか?
年末に行う年末調整の時に耳にする事もあると思いますが、実態についてはよく分かっていない、と言う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、その「配偶者控除」について、お話ししたいと思います。

配偶者や扶養親族がいる納税者と、いない納税者とでは、食費や学費など、納税者にかかる負担は違ってきます。
年末調整において個々の税金の計算をする時に、扶養親族がいる納税者に一定の配慮をし、支払う税金を減らすことができる控除が、「扶養控除」で、その扶養控除のうち、配偶者を対象にしたものが、「配偶者控除」です。
配偶者がいれば必ず控除を受けられるのか、と言えばそうではなく、以下の条件があります。

①民法上夫婦として認められていること
②生計を一にしていること
③一年間の給与所得から65万円を差し引いた後の金額が38万円以下であること
④事業専従者(納税者が経営する会社で働いている家族従業員)の給与がないこと

配偶者控除の金額は以下の通りです。
・一般の控除対象配偶者 38万円
・老人控除対象配偶者  48万円(その年12月31日現在の年齢が70歳以上の場合)

また、「配偶者控除」と似た言葉に、「配偶者特別控除」というものがあります。
「配偶者控除」は、配偶者の所得が103万円を超えた時点で控除が受けられなくなりますが、103万を超えても、141万円に達するまでは、その所得金額に応じて控除を受けることができます。
それが「配偶者特別控除」です。
この「配偶者特別控除」も、納税者の所得が1千万以下であること、という条件があります。
所得が141万円を超えてしまうと、どちらの控除も受けられなくなります。

こういった配偶者控除が、今後廃止される事が検討されているのですが、なぜ今、廃止の方向へと向かっているのでしょうか?
労働力の低下が進んでいる日本では、今後女性の働きが重要と思われています。
そのために、現在の配偶者控除が、女性の社会進出や労働時間の抑止力となっているのではないか、と考えられたからのようです。
確かに、「103万の壁」と言われるように、年収が103万円以下になるように、働く時間を調整している人は多いと思われます。
こういった抑止力となってしまう制度を廃止し、女性の社会進出を後押しするねらいがあるようです。

税金の控除がなくなる分、専業主婦やパート勤務をされている家庭は税金の負担が増える可能性があります。
そういった事を配慮してか、「配偶者控除」の廃止後は、配偶者の年収や働き方に関係なく一定の控除を受けられる「夫婦控除」という制度の検討も、併せてされているようです。

早ければ、こういった制度が2017年1月から導入される予定です。
制度の詳細はこれから議論されるようですが、決定すれば、またこのブログでお知らせしていきたいと思いますので、また覗いてみて下さいね。