中年女性の「痩せる」を叶えたい〜管理栄養士の考える基礎代謝を上げやすくするライフスタイルとは〜

栄養科

何も疾患がない人でも「やせにくいなぁ」とつぶやいている人を時々みかけます。
まず、前回(あんまり食べないのにどうして痩せないの?~脂肪肝を防ぐために~)のおさらいをすると、人の1日の総カロリー摂取量のうち約10%が食事誘発性熱産生量、約30%が身体活動量、約60%が基礎代謝量に使われます。

  • 食事誘発性熱産生量;食べたものは体の中で栄養素として分解されますが、その時にエネルギーを使うため熱が発生し消費される代謝量
  • 身体活動量;安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作のこと。
    トレーニングやスポーツなど体力の維持・向上を目的とした活動の運動と日常生活における家事、通勤、通学などの生活活動とある『運動』+『生活活動』=『身体活動量』
  • 基礎代謝量;何もしないで消費される量。心身ともに安静な状態で生命維持のために心拍、呼吸、体温維持などで消費される必要最小限のエネルギー量

そこで、人の臓器・組織における基礎代謝量の割合で、肝臓が21%を占めていることは、内臓が健康に働いていることは大切であると前回の記事でお話ししました。

それでは、今回は基礎代謝量は様々な要素によって変化することについて考えていきます。どうすれば基礎代謝量を上げやすくすることができるのでしょう。
下記の表は基礎代謝量の変化に影響する因子です。

下の表から年齢による基礎代謝量の差をみていくと、18歳以上は少しずつ基礎代謝が下がっていくとなっています。例えば、同じ50kgの女性で10歳代の時と60歳代の時とどれくらい基礎代謝量に違いがでるのか考えてみました。
60歳代女性基礎代謝量→50×20.7(基礎代謝基準値)=1035kcal/日
10歳代女性基礎代謝量→50×29.6(基礎代謝基準値)=1480kcal/日

1480kcal/日-1035kcal/日=445kcal/日となり1食分に近いカロリーの差が出てきます。若い頃と同じような生活をしていると太りやすくなるのもわかります。
このように基礎代謝量の変化は、年齢の変化に大きく関与しています。また、骨格筋の基礎代謝量は、臓器や脂肪組織よりも高く、筋肉・脂肪割合により差が出ますのであくまでも目安にしてほしいです。

では、どうすれば基礎代謝量を上げやすくすることができるのでしょう。
私たちが基礎代謝量を上げやすくする・維持するには4つのポイントがあります。
①水分をしっかり飲む。
②身体を温める食事をする。
③筋肉を作りやすい食事をする。
④腸内環境を整える食事をする。

この4つの項目をどのように食事にとりいれたらいいのかを考えていきます。
今回は、①について掘り下げて説明し、②~④に関しては次回以降に説明していきたいと思います。

①水分をしっかり飲む。

水を飲むことで、血液やリンパの流れが良くなり、筋肉の働きや内臓機能がよくなりエネルギー消費に役立ちます。冷え性の方は血流が悪く体温が低いように血流が悪いと体温が上がりにくいので、水分不足で体の基礎代謝が下がらないようにすることが大切です。

■1日にどれくらいの量の水を摂ればいいのか?

水分量も成人、子供、高齢者など年齢や体重、ライフスタイルによって適正な水分量は変わります。

【計算式】
1日に必要な水分量(㎖)=体重(㎏)×年齢別必要量(㎖)

【年齢別必要量】
29歳以下・・・40㎖/㎏
30歳以上~55歳以下・・・35㎖/㎏
56歳以上・・・30㎖/㎏

【例】35歳、60㎏の場合 ※コップ1杯を200㎖とする。
60㎏×35㎖=2100㎖(2.1ℓ) 2100㎖/日÷200㎖/回=10.5回/日
1日にコップ一杯(200㎖)を10~11回に分けて水分補給すると良いでしょう。
適正な水分量を効率よく飲むタイミングは、寝る前と寝起き、さらにこまめな水分補給をすることです。

■どんな物を飲んだらいいのか?

手軽な水分補給は水ですが、お茶は?牛乳は?、スポーツドリンクは?、炭酸水は?コーヒーは?どうなのでしょうか。

  • 牛乳は、栄養価(普通牛乳は100g中67kcal、蛋白質3.3g、脂質3.8g、炭水化物4.8g)は高いですが、水分87%乳固形分13%で、実はりんごより水分含有量は少ないのです。1日200㎖(水分量としては174ml)が目安です。飲み過ぎには気をつけましょう。
  • スポーツドリンクは、アイソトニック飲料とハイポトニック飲料に分けられています。アイソトニック飲料は人の体液と同じ浸透圧で糖質を多く配合して糖の吸収が早く水分の吸収がゆっくりなのが特徴で運動前に飲むと良いとされています。ポカリスエット(25kcal/100㏄)、アクエリアス(19kcal/100㏄)、などがそうです。ハイポトニックは浸透圧が低めで糖分が少なめに配合していて少量でも素早く水分が吸収されるのが特徴で運動中、運動後に飲むと良いとされています。イオンウォーター(11kcal/100㎖)、アクエリアスゼロ(0kcal/100㎖)などがそうです。
    カロリーがゼロ表示以外のスポーツドリンクは、カロリー過多になりやすいので注意が必要です。
  • 炭酸飲料は、炭酸を含んだ清涼飲料水で甘味料を含んだものが多くカロリー過多になりやすい為注意が必要です。また、炭酸は胃腸障害のある方には下痢などの症状をおこす場合がありますので医師にご相談下さい。
  • お茶には色々と種類がありますが、中でも麦茶はカリウムやナトリウムといったミネラルが多く含まれていてノンカフェインなので水分補給に適している飲料です。
  • コーヒーは、緑茶と同じでカフェインを含むため取り過ぎに注意です。カフェインは、1日400mgまでを推奨しています。
    みどり病院栄養科のweb記事にカフェインって1日どのくらい摂ったらいいの?という記事がありますので参考にして下さい。
    (カフェインって1日にどれくらい摂っていいの?)

このように飲み物にも色々と特徴があります。その時、その場で必要な水分補給をしてください。そして疾患がある人の場合は、医師に相談して下さい。
次回、『②身体を温める食事をする。』からを記事にしたいと思います。ぜひ次回も読んで下さいね。

参考文献:
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
厚生労働省e-ヘルスネット

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