はじめまして。わたしは今年入職しました放射線技師です。
この4月から働き始め、私は心臓の冠動脈CT撮影という業務につかせていただくようになりました。冠動脈とは心臓にある血管のことで、この血管がつまることによって心筋梗塞や狭心症が起きます。
冠動脈CTは、普通の頭やお腹のCT検査と違い少し多くの工程を経ます。頭やお腹など普通のCTは薬を使わず、そのまま横に寝ていただいてから、CTの機械へ入っていき、息を15秒程度止めて撮影するだけですが、冠動脈CTはまず事前に心臓の脈をゆっくりにするお薬を飲んでいただき、心電図を装着してから撮影します。不整脈や脈の速さが大きくぶれる方は、場所を変えて貼り直しをしたり、モニターの波形の調整などが必要になってきます。
そして、息を止める回数が検査中に6回以上あります。心臓の大きさによっては一度に20秒近く息を止めて頂くこともあり、高齢の方は最後の方は苦しかったとよく言われます。
そして、中盤に冠動脈の血管を拡げるスプレーを口の中にふります。このスプレーを使うか使わないかで血管画像の見やすさが全然違いますので、使用することで狭くなっているかの評価がしやすくなります。ただ、味は苦いといわれることが多く、顔を顰める方も多々・・・
そして、いよいよ造影剤という薬を点滴のチューブから入れ、撮影をして検査終了になります。この工程が普通のCTとは違う点です。
検査時間は20~30分かかり、普通のCT検査に比べ工程も多いので、なんだか大変そうに思われると思いますが、基本的に患者さんには合図に合わせて息を止めていただくだけです!
点滴のチューブを入れるときの針を刺すこと以外痛いことはしません!
ただ造影剤を点滴のチューブから速い速度で入れるので、造影剤が急に体に入った影響で体が熱くなりますが、問題ないのでご安心ください。
患者さんからは「おしっこが出たかと思った」「お尻の方や足の方まで熱くなった」と言われることがよくあります。
心臓CT検査を初めて受けられる方は、緊張のため心臓がドキドキして脈拍が多くなってしまいますが、あまり緊張して脈が速く心臓が動いていると、せっかくのCT画像がブレてしまうことがあります。私たちも患者さんにリラックスできるようにお声掛けしますが、患者さんご本人も「この検査は寝て、何回か息止めするだけで終わる安全な検査」と思って安心した気持ちで検査を受けられてください。
検査中でも気になることがあれば何でも聞いてください。
検査が終わると私たちはその撮影した心臓をわかりやすく見ることができるよう綺麗に編集し、CTの3D画像を作り上げ、診察の時に医師が適切に評価、診断しやすい冠動脈CT画像を提供しています。
つづきは以下をご覧ください!
心臓CT検査を終えて~放射線技師しか知らない第2ラウンド・心臓3D画像の構築~
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