見えない放射線、毎日測っています~患者さんの安心と安全の徹底を目指して~

放射線科

コロナの影響で、めっきり海外に行く機会が減りましたが、皆さんは海外へ行ったり、旅行したことはありますか?
海外旅行へ1回行くと、実は飛行機に乗っている間に胸部レントゲンを撮るより被ばくしていることもあります。
胸部レントゲンが1回0.06mSvなのに対し、東京からニューヨークへ飛行機で行くと往復0.12~0.16mSV被ばくしてしまいます。宇宙や大地から受ける自然放射線や食べ物、空気中のラドンなどによって病院で検査を受けなくても年間で 2.1 mSv程度の被ばくをしています。
このように日常生活をする中で、私たちは知らず知らずのうちに放射線の影響を受けています。

今回は被ばくのお話第2弾として、患者さんの病院の中での被ばくについてお話したいと思います。
ぜひ、最後まで目を通していただけると嬉しく思います。
なお、前回のお話もお時間があれば見てみてください。

見えない放射線、毎日測っています~スタッフ編~
https://midori-hp.or.jp/radiology-blog/web20220608/

〇被ばくの種類と限度

放射線被ばくには係わる立ち位置により被ばくの種類が異なります。
今回ご紹介する患者さんが被ばくする場合『医療被ばく』
私たちスタッフが仕事中に受けるすべての被ばく『職業被ばく』
職業被ばくと医療被ばく以外の公衆の受けるすべての被ばくは『公衆被ばく』といいます。
患者さんの付き添いで来られる方も検査で直接放射線の被ばくをすることはないので一般的に公衆被ばくに分類されます。

〇各々の線量はこれくらい

1番最初に飛行機での被ばくのお話をしましたが、皆さん病院での検査以外でも微量ではありますが日常的に被ばくをしています。

図の方を見ていただくと左の検査の方と、右の自然放射線の方では単位が違います。
放射線検査を受けると画像とともにどのくらい被ばくしたかの「線量(吸収線量)」が表示されますが、これらはGy(グレイ)という単位で表示されます。一方、放射線被ばくによる全身への影響は「実効線量」と呼ばれこちらはSv(シーベルト)で表示されます。
体に当たる放射線の種類や各臓器によってGyとSvは線量が変わってきますが、一般的に使用されるのはX線、γ線なので全身への影響は、
吸収線量(Gy)=等価線量(Sv)
となり同じようなものと考えておいてください。

当院での放射線を使用した検査でも、以下のように機械に表示されたり、画像として保存されますので、気になる方は検査時に担当技師に尋ねてみてください。

〇放射線の人体への影響

一度に大量の放射線を受けると、細胞の修復が出来ず体に影響が出てきます。
500mSv辺りからリンパ球の減少といった体感ではわからない程の僅かな影響がではじめ、一度に3000mSvを超える被ばくを受けると、脱毛や白内障、皮膚に障害が出てきます。

とはいえ、通常の検査、治療での被曝量はそんなに多くなることはありませんのでご安心ください。
当院で1番線量が多い心臓カテーテル検査でも3000mSvを超えることはほぼなく、1回の検査で放射線障害が出る可能性は低いです。

2020年4月より法律の改正に伴い放射線検査を受ける方すべての被ばく管理及び記録が義務化され、対象検査はCT、核医学、血管造影となりました。当院でも患者さんの被ばくデータの管理を行っており、放射線検査について安心して検査を受けていただくことができます。

〇さいごに

近年は機器の性能向上や新たな検査方法(撮影方法)の樹立により、5年、10年前に比べても更に被ばく量が少なくなり、画質も向上しているため、放射線による身体障害はほぼ心配いらなくなりました。
その他、レントゲンやCTの検査前に金属製品や湿布・カイロ等写真に写りこむ可能性があるものは事前に外していただくと再検査を行うリスクが少なくなり、必要以上の被ばくを減らすことができます。検査前には、金属製品や湿布・カイロ等をお持ちでないか、よくご確認いただければ幸いです。

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